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建通新聞社(静岡)
2012/03/26

【静岡】庵原川と波多打川の河川整備基本方針原案 静岡県

 静岡県は、静岡市清水区を流れる「庵原川水系」と「波多打川水系」の二つの河川整備基本方針の原案をまとめた。庵原川水系は50年に1度、波多打川水系は30年に1度発生する確率のある降雨を安全に流すことを目標に設定し、いずれも河道の改修で対応していく考えだ。
 庵原川は、静岡市清水区伊佐布の高山を源流に、途中、山切川などの支川と合流して袖師埠頭付近で清水港に注ぐ流路延長6・7`の2級河川。流域の土地利用は、山林が大半を占めるが、新東名高速道路のジャンクションやインターチェンジが3カ所設置されるなど、市街化の進展が予想される地域。
 河川整備の基本方針として、治水の目標を、50年に1度発生する確率のある降雨を安全に流下させることとし、基本高水のピーク流量を昭代橋付近で毎秒320立方bに設定。
 これを実現するための具体策として、河道を改修する。護岸整備済みの区間で河床を掘削し、未整備区間で河道を拡幅する。河道の掘削については、現在の河床材料が改変しないよう、掘削深を60a以下に抑える。また、落差工などの横断工作物は、魚道を設置するなどして上下流の連続性に配慮する。
 一方、波多打川は、静岡市清水区茂畑の高根山を源流に、谷底平野を蛇行しながら南下して興津埠頭の脇で清水港に注ぐ流路延長4・3`の2級河川。こちらも流域は山林がほとんどだが、新東名の開通で市街化の進展が見込まれている。
 河川整備の基本方針では、治水の目標を30年に1度発生する確率のある降雨に設定。井上橋付近で毎秒130立方bの流量を安全に流せるよう、河道改修を行う考え。
 波多打川では全川にわたって護岸が整備されているため、現在の河道幅を変えず、河床を掘削して河積を広げる。河床材料が改変しないよう、掘削深を60a以下とし、礫(れき)や巨石などを再利用して良好な自然環境を保全する。
 今後、県河川審議会が原案の内容について審議し、同審議会の了承後、県が基本方針を国土交通省に提出する。
(2012/3/26)
建通新聞社 静岡支社