トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2012/03/23

【神奈川】神奈川県内地価公示 川崎市で上昇続く

 神奈川県内の地価の平均変動率は、4年連続してすべての用途で下落が続いているが、下落率は、住宅地がマイナス1・2%(前年マイナス1・3%)、商業地がマイナス1・1%(同1・7%)と前年に引き続き縮小傾向にある。再開発事業が進展している武蔵小杉駅や辻堂駅、戸塚駅周辺で上昇や横ばいの地点が増加しており、川崎市中原区の住宅地と商業地が引き続き上昇。幸区と高津区の商業地も上昇に転じた(標準地別順位を電子版に掲載)。
 国が公表した資料を基に、県内分をまとめた。県内の調査地点は、住宅地1322地点と商業地335地点、その他164地点の合計1821地点。このうち継続地点が1778地点、選定替え地点が43地点。調査時点は2012年1月1日。
 =住宅地の平均変動率はマイナス1・2%=
 住宅地の県平均変動率はマイナス1・2%で、前年のマイナス1・3%から下落率が縮小。上昇地点は34地点(前年18地点)、横ばいが98地点(同35地点)といずれも増加した。
 最大の上昇率を示したのがJR辻堂駅から徒歩圏にある「茅ケ崎―29(赤松町12ノ36)」で、前年の横ばいからプラス6・9%に上昇した。辻堂駅北側では11年11月にショッピングモール「テラスモール湘南」が開業するなど湘南C―X(シークロス)の再開発が進んでおり、「藤沢―11(羽鳥5ノ5ノ9)」など辻堂駅周辺の3地点も上昇している。
 個別の標準地を見ると、横浜市の戸塚駅や東戸塚駅周辺6地点が前年に続き上昇。川崎市では、武蔵小杉駅や溝の口駅周辺をはじめとする中原区・高津区・多摩区・宮前区で25地点が上昇した。再開発事業の進展や都心への交通利便性が上昇を後押ししており、この傾向は、隣接する地域にも広がっている。上昇率で8位に入った「川崎多摩―35(宿河原3―11―10)」は前年のマイナス0・4%からプラス1・3%に上昇反転。生田緑地内に完成した藤子・F・不二雄ミュージアムによるイメージアップ効果が要因として考えられる。
 その他の市町村は、相模原市でマイナス1・1%など、小幅な下落が続く。県西部や三浦半島地域では下落が比較的大きく、山北町がマイナス3・8%、南足柄市がマイナス3・4%、中井町がマイナス3・2%、三浦市がマイナス3・3%などとなっている。
 =商業地も下落率縮小、上昇や横ばいは”駅近”地点=
 商業地の平均変動率はマイナス1・1%で、前年のマイナス1・7%から縮小傾向にある。上昇地点は前年の6地点から12地点に、横ばい地点も14地点から27地点に増加した。
 上昇地点は、戸塚駅西口の「戸塚5―1(戸塚町字2ノ4100ノ2)」が前年の横ばいからプラス2・0%に転じたほか、川崎市の武蔵小杉駅や川崎駅西口、溝の口駅の周辺地域など”駅近”の11地点だった。
 前年まで下落率が比較的大きかった横浜市中心部では、西区がマイナス1・5%(前年マイナス3・6%)、中区がマイナス1・7%(同マイナス3・4%)と下落率が縮小した。横浜駅の駅ビル建て替えに伴い、入居テナントの仮店舗需要でニーズは底堅い。
 一方、下落の続くのが三浦市や平塚市、湯河原町、山北町。住宅地と同様、県西部や三浦半島地域でマイナス3%台の大きな下落が見られた。平塚市の下落は、駅北側の商店街で梅屋が閉店したことや、テラスモール湘南のオープンで客足が辻堂駅に向かったことなどが要因とみられる。
 =準工業、工業は茅ケ崎と川崎市で上昇=
 準工業地は県平均変動率がマイナス1・2%(前年マイナス1・6%)、工業地はマイナス1・5%(同マイナス1・6&)と小幅な下落が続いている。
 上昇したのは準工業地の「茅ケ崎7―1(本宿町4―9)」で2・6%の上昇。茅ケ崎市全体も平均0・8%上昇した。
 工業地では、川崎市の殿町3丁目地区の「川崎9―4(小島町4ノ60)」が1・3%の上昇。前年の8・8%に続く上昇で、殿町3丁目地区が国際戦略総合特区に選定されたことなどが背景にある。
 価格順位は、住宅地・商業地とも上位10地点は前回と同じ地点(選定替えを除く)。住宅地のトップは山手町73ノ7で1平方b当たり45万6000円、商業地のトップは横浜市西区北幸1ノ1ノ13で1平方b当たり530万円だった。