建通新聞社
2012/03/19
【大阪】中央卸売市場を観光拠点に 民活で水辺飲食店舗
大阪市は、水都大阪の新たな観光拠点候補地として、「大阪市中央卸売市場(本場)」を設定する。水辺空間を活用した飲食店舗の設置など、民活を取り入れた魅力の創造を計画。2020年を目標年次と定め、事業の実現と拡大を図る。
市は、「水の都 大阪」を象徴する新たな観光拠点を創出するため、大阪商工会議所と共同で「水都大阪の新たな観光拠点・調査検討委員会」を設置している。ここで、中之島エリアを中心に、新たなブランドや観光拠点になり得るエリアや施設を発掘することを目的に調査検討(ダン計画研究所が担当)を行った。この結果、大阪市中央卸売市場本場(大阪市福島区野田1−1)が新たな観光拠点にふさわしいと判断した。
目標像は、「西日本一の規模を誇る“食の拠点”の発信」と「潜在的魅力をもつ周辺地域、舟運との連携による相乗的な魅力創造」。同市場を中心に、概ね500m圏域を、観光拠点化に向けた取り組みの対象エリアとする。
「市場ならでは」を期待する来場者の受け皿として、常設または定期的・継続的な店舗を設置する。民間活力を活用し、野田南緑道や中央卸売市場前港の水辺空間に、生鮮食料品の販売や市場の食材を用いた飲食の提供など、卸売市場の特性を疑似体験できる拠点施設を整備。将来的には、関連棟の多目的スペースなど、本場内の低未利用スペースの活用によるにぎわい拠点の拡大を検討する。
課題は、@河川法に基づく水辺空間の占用許可の取得A都市公園法など制約条件への対応B継続的に実施できる体制・事業スキームC利用者ニーズ−など。
また、舟運を中心に周辺の主要観光拠点からのアクセスを向上。観光バスの駐車スペース、最寄り駅からの歩行者空間などを整備。中之島西部や川口地区でも対岸・周辺地域におけるにぎわい拠点を形成し、連携を図る。周辺地区では、市場に調和した建物の誘導や、案内サインの設置を行う。
フェーズT(12〜14年度)で推進体制・仕組みの確立実証実験、フェーズU(15〜17年度)で事業拡大や、水都大阪など他事業との連携を推進。フェーズV(18〜20年度)で魅力発信などによる水都大阪ブランド確立を図る。