日刊建設工業新聞
2012/03/19
【鳥取】県企業局の再エネ事業12年度は4・3億円で推進
県企業局は、新たに小水力発電や太陽光発電といった多様な主体による分散型発電の取り組みを促進するため、2012年度当初予算案に4億3000万円あまりを計上している。昨年11月補正予算に河川の落差を利用した小水力発電について、適地及び事業性を検討するため、11年度に引き続き河川流況調査などを行う。また、7月1日からスタートする国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を踏まえ、再生可能エネルギーの導入拡大とエネルギーシフトを進めるため、立地条件的に有利で採算性が見込まれる南部町下中谷の日野川水系法勝寺川の県営賀祥ダムに計画されている賀祥ダム水力発電と米子市八幡にある企業局西部事務所に太陽光発電を先導的にいち早く整備する方針にしており、12年度、単年度で施工する予定。
有効落差37・8bのダムの落差を利用した賀祥発電所は、最大出力260`hの発電所で、年間の可能発電電力量は一般家庭390戸分に相当する約1400MWh。建設事業費は約3億2000万円を見込んでいる。10年度に中電技術コンサルタントで行った基本設計を踏まえ、11年度に同じく同社で実施設計を進めており、12年度に施工する。また、配水池のタンクの上及び敷地内に設置する企業局西部事務所の太陽光発電は、最大出力200`hで、年間の可能発電電力量は一般家庭60戸分の約210MWh。事業費は9550万円を見込んでおり、12年度に設計・施工する考えだ。発注手法は、設計施工一括プロポーザル方式の採用を検討している。
企業局では、単年度での施工計画であることから、国の買い取り価格の決定を踏まえ、採算性を再確認した上で、着工準備を急ぐ考えだ。いまのところ、国の買い取り価格が決まるのは5月連休前後になる見通しだ。また、県内の廃止発電所跡や砂防河川の3カ所程度を候補に小水力発電や境港市の竹内工業団地の倉庫屋根・緑地で太陽光発電の事業化調査を引き続き行う。