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建通新聞社(静岡)
2012/03/14

【静岡】静岡県 13年度に設計―富士山世界遺産センター

 静岡県の「富士山世界遺産センター基本構想策定委員会」(委員長・芳賀徹静岡県立美術館館長)が13日、東京都内で第4回会合を開き、同センターの機能や施設規模、立地などの方向を示す基本構想案を了承した。施設整備に当たって、環境やユニバーサルデザイン、更新性・拡張性、維持管理に配慮し、さまざまな活動を効果的・効率的に展開することができる施設面積を確保するよう求める。立地場所は、富士山の眺望や来訪者の利便性などを踏まえて選ぶ。この構想を基に、県が2012年度、建設予定地や施設規模、整備運営スキーム(枠組み)などを盛り込んだ基本計画を策定、13年度に設計や用地買収を開始する。
 世界文化遺産「富士山」の静岡県側の拠点施設と位置付ける同センターの施設整備では、@環境(自然環境と調和した外観整備、自然光や雨水などの活用による環境負荷の軽減など)AユニバーサルデザインB(将来の更新や架蔵資料数・蔵書数を見据えた)更新性・拡張性C維持管理(建物・空調・照明施設などの維持管理の簡易性や低廉性)D県産材の活用―の5点に配慮する。
 立地場所は、美しい富士山の眺望と来訪者の利便性、センターでのさまざまな活動との関連性、富士山と構成資産(世界遺産を構成する富士山周辺の資産)との近接性を踏まえて検討する。
 また、センターの担う機能を▽保護・管理▽展示▽教育普及▽交流促進▽調査研究―の五つに設定。これらの機能を十分に発揮するため、事務室やボランティア室などの「保護・管理エリア」、常設展示室や企画展示室、シアターなどの「展示・体感エリア」、研究室や実習室などの「学習・研修エリア」、ミュージアムショップや飲食施設、観光・登山案内所、多目的ホールなどの「にぎわい・交流エリア」、研究室や書庫・資料室などの「研究・収蔵エリア」、エントランスや案内・受付などの「共用エリア」、屋外展示やイベント広場、駐車場などの「屋外エリア」を配置する。
 建物の規模については、こうしたセンターの活動を効果的・効率的に展開するために必要な面積を確保するよう求めた。
 さらに、施設の運営形態について、指定管理者方式を含めて県が設置主体となる場合と、財団など民間に設置を委ねる場合の二つのパターンを想定。「全ての整備を民間に委ねる手法もありえる」とし、効果的で適切な運営方式を、整備手法などと併せて検討する。
 この基本構想を踏まえ、県は12年度、センターの建設予定地や施設規模を固め、事業計画や展示計画、施設計画、管理運営計画、整備運営スキームなどを基本計画として策定。これに沿って、13年度以降、設計や用地買収、造成、建設工事を順次進めていく。
 県は12年度当初予算案に、基本計画策定費を含む「富士山総合施策推進事業費」として2300万円を計上している。
(2012/3/14)

建通新聞社 静岡支社