建通新聞社(神奈川)
2012/03/05
【神奈川】横浜市 納骨堂新設に向けた調査を開始
横浜市健康福祉局は、納骨堂の新設を計画しており、2012年度に必要となる規模や建設地選定に向けた調査を開始する。比較的狭い敷地に多くの遺骨を納めることが可能な納骨堂を整備し、今後急速な増加が予想される墓地需要に対応する。
同局では墓地整備の施策を検討するため、09年に「横浜市墓地問題研究会」(委員長・大原一興横浜国立大学大学院教授)を立ち上げ、市内の墓地に関する現状と課題をまとめた。報告書によると市営墓地と民間墓地の供給により、13年度までの需要は満たすことができるが、それ以降については需給が逼迫(ひっぱく)し、26年度までに9万4000区画の墓地を整備する必要があると指摘した。
横浜市は▽久保山(西区)▽三ツ沢(神奈川区)▽日野公園(港南区)▽根岸外国人(中区)▽メモリアルグリーン(戸塚区)―の5カ所の市営墓地を運営しているが、既存墓地の供給余力には限りがあり、厳しい財政状況から新たな墓地を整備することも困難となっている。
横浜市は市営墓地のほか、納骨費用の安い久保山霊堂(西区元久保町1ノ1)を運営しているが、市民の申込みが多く、順番待ちの状態が続く。納骨堂は狭い土地に多くの遺骨を収容できることから、墓地の供給不足の改善には最も効果的な施設となる。
久保山霊堂の規模は、鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建て延べ3066平方b。6体分の遺骨が収納できる「家族納骨壇」を200基と、火葬した骨を墓が見つかるまで一時保管する「焼骨短期保管施設」を2000基備えている。1957年に開設し、現在の施設は1982年に改築した。
新たな納骨堂は、久保山霊堂より規模の大きな施設を想定しており、2012年度に施設概要の検討と建設地選定に向けた調査を開始する。施設の性格上、一般の地域への建設は住民との調整が難しいため、市営墓地の空きスペースなどが候補に挙げられる。建設年度は未定だが、今後市内の墓地が不足することから、できるだけ早い時期に整備する考えだ。