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建通新聞社(東京)
2012/03/01

【東京】 都、帰宅困難者対策の実施計画を今秋

 2012年第1回東京都議会定例会の代表質問が28日に行われ、今後の防災施策などについて関係局長らが答弁した。笠井謙一総務局長は、今定例会に提出した帰宅困難者対策条例に基づく取り組みを実行に移すため、「ことし秋をめどに対策事業を総合的に推進するための実施計画を策定する」との方針を明らかにした。

帰宅困難者対策

 都が今定例会に提出した「帰宅困難者対策条例」は、昨年3月の東日本大震災の教訓を踏まえ、企業に全従業員の3日分の水や食料などを備蓄する努力義務を課したり、国や区市町村などに一時滞在施設の確保などを呼び掛けるもの。
 同条例の在り方を問われた笠井総務局長は「具体的な対策を行うに当たり、都民や事業者が取り組むべき基本的事項を明文化して理解と協力を求めることが必要だった」と、制定の意義を強調した。
 今秋に策定する実施計画には「従業員の施設内待機や利用者保護の具体的な手順など、都民や事業者が対策の実施に必要な事柄を盛り込む」とした。また、計画に明記した取り組みは「首都圏の自治体と連携して広域的に進める」考えだ。

河川の耐水対策

 村尾公一都技監は、昨年6月に立ち上げた「地震・津波に対する水害対策技術検証委員会」の提言などに基づいて、対策の範囲や優先度を盛る「基本方針を早急にまとめる」と答弁。検討作業を加速させる姿勢を示した。
 加えて、12年度は「新たな整備計画を策定する」とともに、特に優先度の高い水門については「速やかな工事実施に向けて設計に着手する」などと述べ、事業の推進に意欲を見せた。

災害廃棄物の受け入れ

 都は、東日本大震災を受けて昨年5月に策定した「緊急対策2011」の中で、岩手・宮城の両県から11〜13年度の3年間に合計50万dの災害廃棄物を受け入れる方針を表明。9月に岩手県、11月に宮城県と基本協定を締結した。
 現在は、岩手県宮古市からの本格的な受入事業の第2弾として、4〜6月に実施する処分の事業者を公募中だ。
 12年度以降の展望を聞かれた大野輝之環境局長は、岩手・宮城の両県が「対象地域と搬出量を検討している」と現状を説明しつつ、都も「両県を訪問して選別方法や運搬方法を調整していく」と答えた。
 合わせて、処理を行う区市町村や民間事業者と連携して災害廃棄物の処理を進めることで「被災地の復興を加速していく」と力説。受入事業を通じて被災地の復興に貢献する姿勢を強調した。