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建通新聞社(東京)
2012/02/29

【東京】 国衛研 川崎市の殿町地区に移転決める

 厚生労働省の国立医薬品食品衛生研究所(国衛研、世田谷区上用賀1ノ18ノ1)は、老朽化が進み手狭になった施設の移転先を川崎市川崎区の殿町地区に決めた。同市の国際戦略総合特区へ進出する格好だ。今後、施設建設に向けた国や市の予算が認められれば、設計と工事にそれぞれ2カ年程度をかけて整備を進める。
 現在の研究所機能を全面的に移転する。国衛研の職員数は約450人で、必要な施設の規模は約3万3300平方b。国土交通省関東地方整備局に支出委任して設計や工事を実施する。
 建設予定地は、川崎市川崎区殿町3丁目地内にUR都市機構が所有する土地の一部約2・7fで、国と市がURから取得する。用地費約48億6000万円のうち国が約18億円、市が約30億6000万円(2012〜14年度)を負担し、国衛研に無償貸与する。
 国衛研の移転が完了すれば、隣接地で11年7月に完成した実験動物中央研究所や、12年度中に開設を予定している川崎市の産学公民連携研究センターと連携した研究などが期待できる。

【地元反対で府中への移転を断念】

 国衛研はこれまで、府中市浅間町の米軍基地跡地の一部に移転する計画で、新施設の内容や整備手法の検討などを進めていた。しかし、移転に対する周辺住民の反対が強く、地元の府中市は国に対して計画の見直しを要請していた。
 また、国衛研とともに跡地の一部に計画された国家公務員宿舎の建設中止が11年12月に決定。これを受け国衛研は府中への移転を断念し、ライフイノベーション分野の機能集積が進む川崎市の殿町地区を新たな移転先に決めた。現施設のある世田谷区の土地約3万平方bは移転後に売却する。