静岡県は、高校再編に伴って2012年度末に閉校する県立静岡南高校(静岡市駿河区大谷5762)の校舎を活用し、「自然史資料活用拠点」を整備する方針を固めた。資料の保管や展示など必要な機能の詳細を今後固め、既存施設を改修するための設計業務を12年度上半期に委託する。13年度に改修工事に着手したい考えだ。
県では、県内の多様な自然に関する資料を保管・活用することを目的に、旧清水保健所跡地に県自然学習資料センターを設置。NPO法人の協力を得て、資料の整理・保管や展示を行っている。
しかし、現在の建物が狭く、既存の資料の保管で満杯となっており、適切な整理や利活用のスペースが不足。そこで、保管スペースの拡大とともに、大学や文化施設などとの連携を視野に、12年度末に閉校する静岡南高校の建物の一部を自然史資料活用拠点(博物館)として整備することにした。
静岡南高校は、静岡市立商業高校と再編し、13年度に静岡地区新構想高校(県立駿河総合高校)となる。既存施設として、鉄筋コンクリート造3階建て延べ9329平方bの校舎のほか、体育館(2577平方b)や付属施設(1883平方b)がある。校舎と体育館は1983年〜84年の完成で、一定の耐震基準を満たしている。
今後、資料の保管や展示などに必要な機能を検討した上で、改修の範囲や内容を固めて設計業務を委託する。12年度中に設計をまとめ、13年度に着工したい考えだ。12年度当初予算案には、設計費に3550万円、拠点施設整備の検討費に283万円を計上している。
2月28日に開かれた県議会2月定例会では、田好浩氏(公明党県議団)自然史資料の活用に向けた取り組みを質問。大須賀淑郎企画広報部長が、施設整備に当たって、「自然や環境への県民の関心を高め、子供から大人まで生涯にわたり学び続けられる環境づくりに役立つよう、今後の資料収集を見通した十分な収蔵スペース、県民学習を行うための研修室などを配置する」との考えを示した。
(2012/2/29)
建通新聞社 静岡支社