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北海道建設新聞社
2012/02/28

【北海道】札幌市が次世代住宅基準普及へラベリング制度導入 

 札幌市は2012年度、「札幌版次世代住宅基準」の普及に向けて住宅性能の見える化≠ノ乗り出す。断熱性能によって住宅をランク付けする表示制度(ラベリング)を導入し、認定住宅には金属製プレートと評価書を交付。温暖化対策のほか、建て替え需要が見込まれる住宅市場の活性化を後押しする狙いもある。
 この基準は、地球温暖化対策で家庭から排出される暖房エネルギーのCO2削減を図るため、住宅の省エネ性能を可視化し、パッシブハウスなど高断熱住宅の普及を目指していこうと11年度に制定した。
 同基準は、新築と改修でそれぞれ一定の熱損失係数(Q値)、相当隙間面積(C値)などの目安を設定。新築はミニマム、ベーシック、スタンダード、ハイ、トップランナー(パッシブハウス相当)の5段階、改修はベーシック、スタンダード、ハイの3段階に分類する。
 最低ランクでも1999年に国が定めた次世代省エネルギー基準に相当するため、現時点では国内における最高水準。トップランナーではQ値、C値ともに0.5以下を設定している。
 性能評価の対象住戸は戸建てと共同住宅で、構造はW、S、RC、ブロック造。金属製のラベルは縦、横が各8cmで、トップランナーだけは金色、その他の等級は銀色となる。住まい手にとっては資産価値向上、作り手には施工技術の信頼性確保といったメリットがある。
 基準設定時の技術検討会議メンバーだった今川建築設計監理(北広島市)の今川祐二社長は、ラベリングについて「住宅内部の性能は分かりづらいので、消費者に対し本物がどれかを見極める上でステータスになるのでは」と期待を寄せる。
 市は今後、これらのマークを認定住宅を販売する事業者に使用してもらうなど普及に力を入れる方針。3月7日に説明会を開催するほか、12年度から基準に適合する住宅への建設費補助制度を開始する。
 上田文雄市長は27日、「20年までに市内の住宅の6.3%が次世代基準を満たすことなどで、約29万dのCO2削減につながる」とし、「市民に分かりやすい住宅性能を示すことで、省エネ住宅の普及を推進していきたい」と意欲を示した。