北海道建設新聞社
2012/02/27
【北海道】北電が老朽化進む火力発電所の設備状態など調査へ
道内にある火力発電所13機のうち、苫小牧や伊達、苫東厚真など9機の運転年数が、今後10年程度で40年を超える。老朽化が進むと安定供給に支障を来す恐れがあることから、北電は各発電所の設備状態を調べるなどして、改修や建て替えの必要性を順次検討する方針だ。
13機のうち、奈井江の1号と2号はすでに運転開始から40年が経過。設備改修によって延命化するか、建て替えるかの検討を進めている。40年近い9機は苫小牧、共発3号、砂川3号、伊達の1号と2号、苫東厚真の1号と2号、砂川4号、知内1号。早いもので3年以内、最も新しい苫東厚真2号でも13年後には40年に達する。
発電所設備は、運転開始年数が経過するにつれて不具合が目立ち始める。伊達2号ではこのほど、復水器内の細管に穴があいて海水が流れ込むトラブルが発生した。火力発電所による発電量は総発電量の5割を占め、今後も高い割合で推移することから、安定供給のためには対策が欠かせない。
北電では、今後建設を予定している石狩湾新港火力発電所の運転開始後の状況を見極めながら、9機全てで延命化や建て替えが必要なのか、廃止すべきなのかを検討する考えだ。
石狩湾新港火力発電所は、LNG(液化天然ガス)を燃料とするコンバインドサイクル方式の発電所。出力50万`hの1号機は15年度の着工、19年度の運転開始を目指している。