京都府は、京都市北区大将軍の府立体育館を全面的にリニューアルする。実施設計と施工を一括で発注するデザインビルドを採用。工事案件の議会提出は6月議会を目指す。
国際的な試合や全国的な試合に対応できる基幹体育館とすべく、全面的なリニューアルを行うもので、天井からの落下防止対策など安全面での対策に加え、バリアフリー化や環境対策も行う。改修の基本計画案によると、第1競技場と第2競技場の床面張り替え、床面基礎の更新、第1競技場と第2競技場の照度基準の確保、LED照明の導入、競技場の採光用窓・ブラインドの改修、第1競技場の空調機器更新、第2競技場への空調機器新設、トイレ改修(和式から洋式に。80ブースから125ブースに)、シャワーブース改修(チーム共用14から専用28ブースに)、旧食堂・資料室等を会議室に転用、スポーツ講座用エリア、大会運営用室、ドーピングルーム等として活用、階段式座席の導入、国際大会等の必要座席数基準の確保、3階観客席に大型映像表示装置(オーロラビジョン)2ヵ所設置、電光掲示板の設置、駐車可能台数の増、放送のコンパクト化(機器更新)、3階観客席に放送用ブース設置、廊下・床・壁の内装改修(階段・誘導サイン等の改修等)、競技場屋上への太陽光発電施設の導入及び表示装置設置−などを予定する。
オーロラビジョン2基新設
太陽光設備、府内産木材活用も 主なものをみると、第1及び第2競技場の照明設備改修では、競技エリアでの最低照度を国際的な試合等で必要とされる照度基準1500Lx以上とする。第1競技場屋上に防水シートタイプの太陽光発電施設を導入。規模は最低20kw以上を想定する。省エネ・CO2削減状況の見える化も推進するため、表示装置(42型以上の液晶モニター)を設置する。内装では府内産木材をできる限り活用する方針。駐車場も現行80台から一般普通車110台に加え、大型バスも6台分を確保する。
府はこのほど、デザインビルドでの発注に向け、基本設計を内藤建築事務所(京都市左京区)に委託した。建物本体や外構の基本設計をまとめるとともに、関係法令上の諸条件の調査・事前調整、デザインビルドの発注図書の作成を行う。
府は府立体育館を24年10月1日から25年3月31日までへ休館期間に設定、この期間を工事期間に充てる。予定価格5億円以上の工事等は府議会の議決が必要となり、府立体育館リニューアルの実施設計・施工一括請負案件はその対象となるが、6月議会への案件提出を目指し準備を進めていく考え。24年度当初予算案には感動アリーナ整備費15億4300万円を新規計上した。
京都府立体育館(京都市北区大将軍鷹司町)は、昭和46年10月10日開館。RC造一部S造3階建(一部地下1階)、延1万4015u。主要施設は、第1競技場 (2242u/バスケットボールコート3面・バレーボールコート3面・テニスコート3面・バドミントンコート12面・卓球台20〜40台・その他室内競技)、第2競技場 (864u/バレーボールコート2面・バドミントンコート4面・卓球台16台・その他室内競技場)、トレーニングルーム(540u)、健康体力相談室会議室4室(定員16名〜81名)、売店、障害者用エレベーター・トイレ等。JR円町駅から徒歩圏内にあり、年間利用者数は約21万8000人(19年度)。