建通新聞社(東京)
2012/02/27
【東京】 UR、虎ノ門二丁目再開発で基本計画作成へ
UR都市機構は、虎ノ門二丁目地区市街地再開発事業の基本計画の作成に乗り出す。24日に東日本都市再生本部が業務委託に向けて一般競争入札(総合評価方式)の手続きを開始した。施設建築物は「病院棟」と「業務棟」の2棟構成で最大約24万平方bの延べ床面積を見込む。現時点で2013年度に都市計画手続きを始めるスケジュールを想定している。
再開発エリアは港区虎ノ門2ノ2の面積約2・4fで、現地には国家公務員共済組合連合会(KKR)の「虎の門病院」(延べ約6万平方b)、国立印刷局の「本局」と「虎の門工場」(約4万1000平方b)、「共同通信会館」(約3万6800平方b)が立っている。地権者はKKR、国立印刷局、共同通信会館、共同通信社の4者。
虎の門病院の敷地の一部が環状第2号線の道路用地となるため、病院単独での全面建て替えは難しいと判断したKKRが周辺に打診し、09年1月に再開発の協議会が発足。URは協議会の事務局を務めるとともに、日本設計(新宿区)で基本構想の検討を進めていた。
最大で延べ約24万平方bに及ぶ施設建築物は、再開発エリアと東京メトロ虎ノ門駅を結ぶ「立体的歩行者動線」を都市再生特別地区の地域貢献基盤施設に位置付けたり、アジアヘッドクォーター特区の指定を踏まえた防災力向上やエネルギー自立化に貢献する計画を立案することで、600〜700%の基準容積率を1000%まで引き上げて実現する方針だ。
また現在考えている施工計画は、再開発エリア内にある国立印刷局の虎の門工場が13年度初頭に滝野川工場(北区)へ機能移転する見通しから、まず虎の門工場などを取り壊して、虎の門病院の新しい「病院棟」を整備。続いて現在の虎の門病院の場所に、国立印刷局の本局や共同通信会館の機能、業務系保留床などを盛る「業務棟」を建設する。最後に共同通信会館を取り壊し、前面のアメリカ大使館前交差点を改良する。
基本計画作成に伴う業務の内容は▽都市計画諸制度(地区計画、特定街区、高度利用地区、総合設計、都市再生特別地区)に関する協議資料の作成▽事業計画書の作成支援▽概算工事費の算定、施工計画の検討―など。3月12日まで申請書などを受け付けた上で、4月16日に開札する予定だ。履行期限は13年4月30日。