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建通新聞社(神奈川)
2012/02/24

【神奈川】総合評価案件 工事成績平均2・8ポイント高 

 神奈川県県土整備局が2010年度に一般競争入札で発注した工事のうち、総合評価方式を試行した案件の工事成績評定点の平均点は、全体の平均点よりも2・8ポイント高いことが分かった。さらに、総合評価方式で落札された案件の50%が工事成績80点以上で、一般競争入札全体の21・4%を大きく上回った。この結果について同局は、「総合評価方式による発注工事は一般競争入札よりも高い品質が確保されている」と分析している。
 先に開いた神奈川県県土整備局総合評価審査委員会に、総合評価方式の試行状況と検証結果を示した。
 それによると、10年度に総合評価方式を試行した案件50件(不調・中止を除く)のうち、年度内に完成した工事は36件(次年度に繰り越した14件を除く)で、工事成績評定点の平均は78・7点。条件付き一般競争入札1140件(総合評価方式含む)の平均点75・9点を2・8ポイント上回った。
 総合評価方式の工事成績評点点の分布割合を見ると、80点以上が50%、75〜79点が30・6%で、75点以上が全体の80・6%を占める。一方、一般競争入札全体の80点以上の割合は21・4%、75〜79点は41%で合わせて62・4%だった。このほか、一般競争入札では65点未満の工事が15件あったが、総合評価方式の案件にはなかった。
 総合評価方式の落札結果を見ると、全体46件(有効入札1者のみの4件を除く)のうち17%に当たる8件が「入札価格が最も安く、技術点も1位」、同じく67%に当たる31件が「入札価格が2位以下、技術点が1位」の逆転落札。全体の84%で技術力(点)が落札に結び付いた。
 逆転落札した33件(技術点1位以外の落札2件含む)の金額差は、1万円以下が10件で逆転落札全体の30%を占める。逆転落札の金額差の平均は9・2万円だった。
 同局では、最低制限価格付近に札が集中し、技術評価点による競争で落札者が決まっている状況について、「価格が優れた企業が複数あり、その中で技術力の高い企業が落札する結果になっている」との見方を示している。