静岡県は2012年度、住宅市場の活性化を視野に、住宅のリフォーム工事に対する新たな助成制度を創設する。「住宅リフォーム支援事業費助成(高齢者型)」として、65歳以上の高齢者が暮らす世帯が実施する工事費100万円以上のリフォームに対し、工事費の10分の1(1戸当たり上限15万円)を補助する。県産材を活用する場合の助成制度や住宅エコポイントとの併用も認める。施工者についても、県内に営業所を置く業者であれば可能とし、設備業者なども含めた制度の幅広い活用を促す。12年度当初予算案に県産材型と合わせ総額3億0200万円を計上した。
住宅リフォーム支援事業費助成は、一戸建て住宅のほか分譲マンションの専有部分も対象とし、「高齢者型」と「県産材型」の二つのタイプで構成する。
新たに開始する高齢者型では、65歳以上の高齢者のいる世帯が実施する住宅リフォームが対象。屋根や外壁、内装などのほか、トイレのバリアフリー化や浴室の断熱化など設備関連を含めた工事費が100万円以上の場合、15万円を上限に工事費の10分の1を補助する。12年度の補助件数は1700件。
一方、県産材型は、11年度に開始した「ふじのくに緊急リフォーム支援事業費助成制度」の要件を見直して運用する。床や壁などのリフォームに県産材を利用することが条件で、「20平方b以上」としていた県産材の使用量を「10平方b以上」に引き下げ、制度を利用しやすくする。県産材の使用量が20平方b以上の場合に1戸当たり10万円(耐震補強を同時に行う場合は15万円)、10平方b以上20平方b未満で5万円(同7万5000円)を補助する。12年度の補助件数は600戸。
いずれのケースでも、耐震基準を満たしている住宅での工事か、耐震補強工事を併せて実施することが条件。高齢者型と県産材型の補助制度を併用したり、国の住宅エコポイントと併せて利用することを可能とする。
また、施工者の要件を「県内に本店や支店、営業所を置く建設業者」に設定。ふじのくに緊急リフォーム支援事業費助成で県内建設業者に限定していた要件を緩和し、県産材の利用促進やリフォーム需要の拡大を目指す。
制度の詳細とともに、外部機関に委託する予定の申請手続きの内容などを今後詰める。
(2012/2/24)
建通新聞社 静岡支社