建通新聞社
2012/02/23
【大阪】大阪府都市整備部 都市整備中期計画案を策定 当面10年間の都市インフラ政策 河南赤阪バイパスなど6路線事業再開
大阪府都市整備部は、新たな都市整備中期計画(案)を策定した。24日からパブリックコメントを求め、3月末までに成案とする予定。おおむね30年先を見通しつつ、当面の10年間を対象に、今後の都市インフラ政策の進め方を示す。建設費削減の影響で休止となっている河南赤阪バイパスなど6路線について、事業再開の方針を示した。
事業期間は2011年度から20年度までを当面の期間とする。近年の社会情勢の変化や都市整備上の課題、大阪の成長戦略や財政状況の方向性を踏まえつつ、実効性のある施策を盛り込んだ。また、東日本大震災の発生を踏まえて、「減災」のためにハード・ソフトの両面から施策を展開する。
理念は、「マネジメントとクリエイション(都市経営と施策創造)」で、@成長と活力の実現A安全と安心の確保B都市魅力の向上−を目標とする。『笑働OSAKA』により、市町村、企業、NPOなどとの連携を図る。
建設事業は、「さらなる選択と集中」を推進。新名神へのアクセスなど「成長のためのインフラ整備」に重点化する。ただし、08年度の財政再建プログラム策定時に、「休止」となった事業でも成長インフラ・地域開発の関連事業や用地交渉の好転などの要因のあるものは事業「再開」の対象とする。今回、河南赤阪バイパスの休止区間や、新名神へのアクセスとなる安満前島線の拡幅などを路線を「再開」とし、計画期間内の早期に着手する=表参照=。また、期間内早期に着工する事業も明示。吹田操車場跡地開発へのアクセスとなる豊中岸部線などを新規着工するとした。
維持管理には「アセットマネジメント手法」を導入。予算も11年度から年間30億円の増額を図っており、12年度は230億円、13年度は260億円の予算規模とする。
財政改革に伴い、大阪府のインフラ建設事業費はピーク時の3分の1になるなど、厳しい環境が続いている。今回の中期計画には「逃げる」「凌ぐ(しのぐ)」を組み込んだ減災対策、施設の長寿命化などさまざまな工夫を施した。
「着手」の方針が示された事業は次の通り。
■道路・街路整備事業
▽都)豊中岸部線(JR岸部駅〜府道大阪高槻京都線)▽都)大阪瓢箪山線(恩智川〜国道170号)
■連続立体交差事業
▽阪急京都線(摂津市庄屋〜茨木市丑寅)
■洪水対策事業
▽寝屋川(JRおおさか東線橋梁部)▽平野川分水路(JRおおさか東線橋梁部)▽上の川(名神上流)▽槇尾川(父鬼川合流点上流)▽大川・岬町(昭南橋〜孝子橋)
■耐震対策事業
▽正連寺川(正連寺川水門上下流、高見機場)▽六軒家川(六軒家水門上流)▽芦田川(芦田川排水機場)▽大津川(河口〜楯並橋下流)▽春木川(河口〜春木橋)▽見出川(河口〜鶴沢橋)▽佐野川(河口〜昭平橋)
■公園・緑地事業
▽りんくう公園(北地区)
■流域下水道事業
[寝屋川北部流域]▽大東四條畷増補幹線▽門真守口増補幹線▽四條畷増補幹線▽萱島直送幹線▽大東四條畷直送幹線[寝屋川南部流域]▽枚岡河内中央増補幹線▽枚岡河内北増補幹線[全流域]▽防災システム整備
■港湾事業
▽堺泉北港・汐見沖地区(泉大津市汐見町)▽阪南港阪南2区(岸和田市)
■海岸事業
▽泉州海岸・貝掛地区▽泉州海岸・長松地区▽泉州海岸・小島東地区▽泉州海岸・出島石津地区▽堺泉北港海岸・大津南地区