建通新聞社(神奈川)
2012/02/22
【神奈川】県本庁庁舎 年内に耐震化と整備手法まとめ
神奈川県は、東日本大震災で外壁タイルの落下などの被害を受けた県庁庁舎の耐震化について、2012年内にも耐震化の整備方策とスケジュールをまとめたい考えだ。このうち、1955年に建設した分庁舎については、建て替えまたは改修による耐震化を進めるに当たって民間資金の活用を検討する。2012年度当初予算(案)に、それらを明記した基本構想の策定費として2250万円を計上した。併せて、免震床などの破損が見られた第二分庁舎のコンピューターセンターを、外部データーセンターに移行するための基本設計に着手する。運用上の利便性の確保やセキュリティー対策などの基本要件を整理し、14年度からの運用を目指す。再整備事業費として2147万9000円を予算化した。
本庁庁舎は、▽本庁舎(1928年完成。86年の耐震予備診断で安全性を確認)▽新庁舎(66年完成。震災で外壁タイルが落下)▽分庁舎(55年完成)▽第二分庁舎(93年完成。新耐震基準に基づいた建物)―で構成。
17日に開かれた県議会本会議の代表質問で鈴木ひでし議員(公明党)が、本庁庁舎の大規模地震に対する耐震化について黒岩祐治知事の考えをただした。
黒岩知事は、「大規模地震の切迫性が指摘される中で、県の災害対策の中枢を担う本庁庁舎の耐震化や情報拠点となる第二分庁舎のコンピューターセンターの再整備は急務である」との認識を示した。そのうち新庁舎については、「免震工法による耐震の技術的可能性や概算工事費について調査した上で、建て替えた場合と比較検討し、整備手法を明らかにしていく」と述べた。
また、分庁舎については「建設後57年が経過しており、建て替えを想定しているが、その際の民間資金の活用方法について、具体的に検討していく」と説明。
さらに、「非常時の電源確保対策を含めた津波対策や、民間ビルに入っている県機関の再配置についても検討した上で、年内にも耐震化の整備方策とスケジュールを取りまとめたい」と答えた。
第二分庁舎のコンピュータセンターの再整備については、大規模地震が発生しても安定的に業務が継続できるよう、耐震対策や津波対策が万全な外部のデータセンターに移行することにしている。2012年度は、基本設計の中で、外部データ船体利用に当たっての基本的要件や移設対象機器の選定・分類、作業項目の洗い出しなどを行う。13年度に詳細設計とデータセンターの選定、システム改修を進め、14年度のシステム移行・運用開始を目指す。