静岡県は2012年度、新エネルギーの導入促進策として、住宅用太陽熱利用設備と事業所用太陽光発電設備の導入に対する助成制度を新設する。また、11年度に開始した住宅用太陽光発電設備の導入に対する助成を継続、1件当たりの補助額を減らす一方、導入件数(補助件数)を拡大する。当初予算案に事業費12億7000万円を計上した。
新たに開始する「新エネルギー導入促進事業費助成(住宅用太陽熱利用設備分)」では、給湯利用や給湯・暖房の併用、給湯・冷房の併用など、太陽熱を利用した設備を住宅に導入する際、設置費用の10分の1(上限10万円)を設置者に補助する。住宅用太陽光発電設備を導入する場合の助成制度と併用することも可能。補助件数は1100件で、事業費は1億円。
また、「新エネルギー導入促進事業費助成(事業所用太陽光発電設備等分)」として新設する助成制度では、事業所に太陽光発電設備などを設置する際の事業費の10分の1(上限100万円)を事業者に補助する。
県はこれまで、県内の中小企業などが出力10`h以上の太陽光発電装置を設置する場合、太陽光発電以外の省エネ設備か新エネ設備を同時に導入することなどを条件に、国の制度を活用して設置費用の一部を補助してきた。
しかし、事業所などへの新エネルギー導入をさらに促すため、太陽光発電だけでなく、小型風力(5`h以上)や中小水力(3`h以上)も対象とした県独自の補助制度を設けることにした。補助件数は100件、事業費は7000万円。
11年度に開始した住宅用太陽光発電設備導入支援事業費助成については、「新エネルギー導入促進事業費助成(住宅用太陽光発電設備分)」として12年度も助成制度を継続。県内の住宅用建物に太陽光発電設備を設置する個人や事業者に対し、県が直接補助する。
補助を受けるには、国(太陽光発電普及拡大センター=J―PEC)の住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金の補助対象となっていることが前提。11年度に1`h当たり3万円(4`h・上限12万円)としている補助額を、1`h当たり2万5000円(4`h・上限10万円)に変更する一方、1万件だった補助対象件数を1万1000件に拡大する。12年度事業費として11億円を計上した。
補助申請の方法など詳細を今後詰めるが、住宅用の太陽光発電と太陽熱利用については、県地球温暖化防止活動推進センターを窓口に、事業所用太陽光発電設備などについては県が窓口となって申請を受け付ける予定。
(2012/2/22)
建通新聞社 静岡支社