建通新聞社(神奈川)
2012/02/20
【神奈川】リニア県内駅「相原高校の移転を検討」
神奈川県の黒岩祐治知事は、今月3日に相模原市と「JR橋本駅周辺」に誘致することで合意したリニア中央新幹線神奈川県駅の設置場所について、「リニアの駅は橋本駅に近接して設けることが必要。駅南側に近接している相原高校の移転を検討せざるを得ない」との認識を示した。16日に開かれた県議会本会議で森正明議員(自民党)の代表質問に答えた。
県と相模原市は今月3日、リニア中央新幹線神奈川県駅を橋本駅周辺に誘致することで合意したと発表。3月に開くリニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会の賛同を得た上で、JR東海に正式に要請することにしている。
代表質問で森議員は、「橋本駅周辺のどこに設置するのかが今後の焦点となる」とした上で、「現在の土地利用状況を見ると、駅の南側で展開せざるを得ないと考えるが、駅南の近接地には県立相原高校が立地している。北のゲートにふさわしいまちづくりを進めていく中で、相原高校の問題は避けて通れないと」と述べ、今後の検討の方向性についてただした。
黒岩知事は、「JR東海で技術的な観点で検討を加え、最終的に決めることになる」と説明。さらに、「橋本駅北口は再開発事業が完了しているため、新たなまちづくりは駅南側で展開すること、リニアの駅は橋本駅に近接して設けることが必要」との認識を示した。その上で、「南側に近接している相原高校については、現在の教育環境を継続するためには、移転を検討せざるを得ないと考えている。今後、学校関係者や教育関係者の理解を得ながら検討を進めていきたい」と述べた。
また、駅位置を含めたまちづくりについては、「橋本駅周辺で北のゲートにふさわしい魅力あるまちづくりをしていくことが重要だ。例えば、航空宇宙産業の集積を図るなど、夢のあるまちづくりに向けて、さまざまな観点で考える必要がある。今月10日、県も参加してまちづくりに関する委員会を設置した。そうした場所を活用し、英知を結集して検討したい」との姿勢を示した。