建通新聞社(神奈川)
2012/02/15
【神奈川】中企活性化推進計画 成長産業の誘致を促進
神奈川県は、14日に開いた中小企業活性化推進審議会(会長・齊藤毅憲関東学院大学教授)に、県内事業所数の99%を占める中小企業の振興施策などを盛り込んだ「神奈川県中小企業活性化推進計画」の改定案を示した。中小企業の経営基盤の強化・安定化に向けた金融支援や、成長産業の誘致を通じた県内産業の活性化・雇用の創出、既存企業の県内再投資の促進、地域の生活に根ざした商業・商店街の振興などを、重点取り組み事項に位置付けた。計画期間は2012〜14年度までの3年間。「神奈川力構想・基本構想」の見直しと、新たな実施計画の策定に合わせて11年度内の改定を目指す。
「中小企業の元気回復で実現しよう! 活気あふれるかながわ」を計画の長期的な目標に掲げた。
具体的には、「中小企業の経営力の強化」など四つの取り組みの考え方の下に、八つの「大柱」(重点的な取り組み)を立て、さらに「大柱」を構成する23の「中柱」によって支援の取り組みの方向を体系的に示した。各中柱には、県の部局を超えた事業も含め、190余の中小企業支援事業を構成事業として位置付けた。
個別施策のうち、「経営基盤の強化・安定化に向けた金融支援」では、中小企業制度融資の実施や、昨年12月に設立した「かながわ中小企業再生ファンド」を活用し、中小企業者への再生支援の取り組みを推進。
産業集積の面では、将来成長が期待できる産業分野を対象に、県内への企業誘致や県内企業の再投資を促す。特に、10年4月にスタートした新たな企業誘致施策「神奈川産業集積促進方策2010」(インベスト神奈川2ndステップ)を積極的に展開。インベスト神奈川2ndステップの数値目標(10〜14年度の5年間で120件)に必要な企業立地件数を目標値に設定した。
商業の活性化では、商店街の賑わいを創出するハード・ソフト面での総合的支援、モデル地域での地域ブランド確立による活性化支援などに力を入れる。
このほか、地域の基幹産業である建設業にも波及が期待される、裾野の広い総合型産業「観光」の振興も重点的取り組み掲げた。市町村や地域の観光関係団体・関連事業者などと連携し、埋もれた観光素材の発掘から開発、旅行事業者による商品化促進まで、段階に応じて支援する。
近く審議会の答申案をまとめ、3月中に新たな計画を策定する。