建通新聞社(東京)
2012/02/14
【東京】 パンダ舎移設を検討 基本計画は都市計画研
東京都建設局は、上野動物園(台東区)にあるパンダ舎の移設を検討している。将来の繁殖に向けて施設を拡張するとともに、観覧者の行列を緩和することなどが狙い。正式に決まれば移設先にある施設も動かす必要があるため、パンダ舎を皮切りとした園内の再配置が行われることになりそうだ。都市計画研究所(中央区)に委託した基本計画策定業務の成果を2011年度末にまとめ、12年度以降の設計につなげる。
同局は10年度に中国からパンダ2頭を借り受けて、上野動物園(台東区上野公園地内)で飼育し始めた。
ただ、今のパンダ舎は1972年の初来日時に建設した施設を改修して使っているため、今後繁殖すれば十分な収容スペースを確保できない可能性がある。
しかし、周囲には敷地の余裕がなく現地での拡張は難しい。また、東園の入り口付近という立地上、休日などで観覧者が増えると行列が園外まで伸び、人の往来やほかの観覧者の妨げにもなってしまっていたという。
こうした課題を解決するため、パンダ舎の移設の検討を始めた。新たなパンダ舎は居室を今の5室から倍程度まで増やしたい考え。
都市計画研究所に委託した業務では、新たなパンダ舎の概要をはじめ、移設の候補地や、既存施設の移設計画を検討する。移設候補地は西園にある「子ども動物園ゾーン」をモデルとして想定しており、同ゾーン内の▽子ども動物園▽西園無料休憩所▽公園橋―といった施設を別の場所に移す場合の条件などを洗い出す。
この成果に基づいて、移設先が決まれば12年度に設計を委託する。工事は13〜15年度の3カ年での施工を見込んでいる。