建通新聞社(中部)
2012/02/10
【愛知】県病院事業庁 城山病院の全面改築 12年度に実施設計
愛知県病院事業庁は、県全体の精神科医療体制の中核病院として、先進的な専門医療を提供するため「城山病院」の全面改築を計画しており、2012年度は実施設計を進める見込み。
城山病院の整備は、当初の計画では急性期治療病棟、重症病棟(2棟)、回復期リハビリテーション病棟、精神科救急病棟、思春期病棟、ストレス関連疾患治療病棟、医療観察法病棟といった新機能を加え入院診療部門計8病棟・338床とする予定だったが、基本設計を進める中で医療観察法病棟の病床数を17床減らして321床としていた。
基本設計は、10年度に公募型プロポーザル方式で久米設計名古屋支社(名古屋市中村区)に委託して実施しており、11年度に実施設計などを進める予定だったが、およそ1年間かけて計画の見直しをして、さらに48床減らして273床とすることにした。
内訳は、救急対応病棟を1病棟44床、急性期対応病棟1病棟で44床、重症対応病棟1病棟50床、重症・発達障害対応病棟1病棟50床、思春期対応病棟1病棟22床、回復期リハビリテーション対応病棟1病棟45床、医療観察法病棟1病棟18床の計7病棟273床。
このほかに外来診療部門、作業療法部門(ソーシャルセンター)、第1・第2デイケア、地域生活支援部門などを整備する。
建物の全体規模は、鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ1万9395平方bとした。敷地面積は4万8635平方b。現在地で診療機能を継続しながらの建て替えを実施する。
総事業費は約75億円。今後のスケジュールとしては13年度に建設工事に着手し、16年度に全面オープンさせる予定だ。
同病院は1932年に現在地に「愛知県立精神病院」として開設した。35年に100床(鉄筋コンクリート造2階建て延べ2359平方b)となり、47年に「愛知県立城山病院」に改称した。その後、東病棟、北病棟、中病棟、南病棟、デイ・ケアセンターなどが順次竣工し、現行の許可病床数は342床。05年に外科を廃止し、精神科・神経科・内科・歯科の4診療科となった。所在地は名古屋市千種区徳川山町4ノ1ノ7。