滋賀県は、産業廃棄物が不適正処理された旧RD最終処分場(栗東市小野7−1他33筆)の有害物質を除去する一次対策工事を4月にも公告し、24年度中に工事を実施する方針。一次対策実施計画に対する環境大臣の同意を3月に得て、入札契約手続きを進めたい考え。
一次対策工事では、これまでの一次調査で判明した有害物を除去するために、約1万m3を掘削し、有害物を外部委託処分する。準備工事として、有害な気体の飛散を防ぐためのシートを対象地に被せて覆い、次いで有害な液体を汲み上げて取り除く揚水井戸を設置するとともに、有害物以外の掘削物の仮置場を設置し、掘削へと進める。
有害物は特管相当物(特別管理産業廃棄物相当)、ドラム缶等、液状廃棄物浸潤土砂等。ドラム缶等及びドラム缶エリアの液状廃棄物浸潤土砂等は深さ5m、特管相当物は深さ3mまで掘削する。撤去計画対象地の掘削箇所4ヵ所のうち、3ヵ所で深さ5m、1ヵ所で深さ3mの掘削となる。
県が計画しているスケジュールによると、3月に環境大臣の同意を得られれば、同月中に一次対策工事の入札契約手続に関する内部の準備に着手する。同工事を分割するかどうかも検討し、年度が変わってから入札公告する。6月頃に着工、24年度末までに完了させる。
今後、本格的な工事となる二次対策工事のための二次調査を23年度中に一部進めるため、同調査の結果や一次対策工事で出てくる有害物の量などの状況次第では、一次対策工事の実施内容を調整する可能性もある。
同工事では、産業廃棄物特別措置法により国から産業廃棄物適正処理推進センターを通じて財政支援(補助率2分の1)を受ける。産廃特措法は24年度までの時限法になっているが、環境省は期限を延長する方針。県の計画では、24年6月頃に産廃特措法延長法案の国会での可決を想定。続いて二次対策実施計画を作成し、24年度中に環境大臣の変更同意を得て、25年度から二次対策工事を進める。