建通新聞社(神奈川)
2012/02/08
【神奈川】児童自立支援拠点施設 五領ケ台高跡を候補地
神奈川県は、県立の児童養護施設中里学園と、同じく県立の知的障害児入所施設ひばりが丘学園の機能を統合・強化し、心理・医療などの専門的ケアができる、入所機能を持った「児童自立支援拠点」を新たに整備する。平塚市の元県立五領ケ台高校跡地を候補地とし、今後調整を進める。定員は100人。2017年度の開設を目指す。今後のスケジュールについて県は、「地元説明会を開く予定でおり、具体的にはまだ(決まっていない)。施設規模についても、調査していく中で決めたい」としている。
中里学園とひばりが丘学園はいずれも横浜市内に立地している。今回、政令指定都市以外の県所管域である五領ケ台高校跡地(平塚市片岡991ノ1)を候補地に決めた。
新たな児童自立支援拠点は、情緒障害児短期治療施設、乳児院、知的障害児施設の三つの施設を併設。
その中に@養育機能(子どもの発達段階や障害特性に応じた治療的養育、個別支援が可能な生活環境の提供)A自立支援機能(地域関係機関と連携した子ども、家族への相談などによる自立支援)B入所している子どもへの医療ケアC臨床を生かした支援技術の確立、民間施設などへの普及―四つの機能を持たせる。
整備に当たっては当初、小田原城内高校跡地を利用することで準備が進んでいたが、埋蔵文化財調査が必要なことが分かり、スケジュールや財政面への影響などを勘案して断念。2010年2月に、中里学園(横浜市青葉区みたけ台26ノ18)への整備地変更が議会に報告された。
だが、その後の調査で「建築上の制約やグラウンドのスペースの確保が困難で、機能を十分に発揮できない」などの課題が明らかになり、候補地を再検討していた。
昨年12月の県議会第3回定例会の本会議で、児童自立支援拠点施設の整備の方向性について質問を受けた黒岩祐治知事は、「11年度中に候補地を選定し、その後、具体的に調査・設計に入りたい」との方針を示していた。