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建通新聞社(静岡)
2012/02/08

【静岡】静岡県 坂口谷川の河川整備基本方針固まる 治水安全度向上へ

 静岡県は、坂口谷川水系の河川整備基本方針の原案を固めた。河川整備の基本的な理念と方向を示すもので、「50年に1度発生する可能性がある降雨」を治水の目標とし、治水安全度の低い箇所で施設整備を進めるとともに、既存施設の機能を十分に発揮できるよう維持管理する。また、隣接する海岸堤防に比べ河川堤防の高さが低いため、県が今後策定する第4次地震被害想定に基づいた施設整備を行う考えを盛り込む。県河川審議会で原案が了承されたことから、今後、関係機関と調整を行った上で国土交通省に提出。国の同意後、河川整備の具体策を示す「河川整備計画」の策定を開始する。
 坂口谷川は、牧之原市赤坂の赤坂池を源流に、牧之原市の東側丘陵地を蛇行しながら高尾川など九つの準用河川と合流して駿河湾に注ぐ流路延長1万0570b、流域面積21・7平方`の2級河川。小規模河川改修や県営排水対策、(静岡)空港関連などの事業により、5年に1度発生する確率の降雨に対応する改修事業が完了している。
 河川整備基本方針では、@安全で安心して暮らせる川づくりA水辺空間を楽しめる川づくり―を基本理念に置く。その上で、▽洪水・高潮などによる災害の発生防止・軽減▽河川の適正な利用、流水の正常な機能の維持、河川環境の整備・保全▽河川の維持管理▽地域との連携と地域発展―の四つの視点で河川整備の方向を示す。
 災害の発生防止・軽減として、50年に1度発生する可能性がある降雨から生命・財産を守ることを目標に設定。洪水を安全に流下させることができる治水施設を整備していく。また、河口部の堤防高(3・4b)は、現在の地震被害想定(3・1b)を上回っているものの、隣接する海岸堤防(6・2b)に比べて低いため、第4次被害想定を踏まえて新たな対策を検討する。
 河川環境の整備では、癒やしや安らぎを与える水と緑の水辺空間、浸水施設の整備とともに、地域の交流や連携の軸となる貴重なオープンスペースの創出に努める。
 河川の維持に関しては、地域住民や関係機関と協力し、堤防・護岸などの施設の状態や河道の土砂堆積などのモニタリング・点検を行い、適切な修繕を行う。
 県は今後、この基本方針に基づき、河道の掘削や拡幅など河川整備の具体策を盛り込んだ「河川整備計画」を策定する。
(2012/2/8)
建通新聞社 静岡支社