建通新聞社
2012/02/02
【大阪】府都市整備部 下水処理場を新エネ拠点に 民活で発電 南部水みらい公募へ 公園は啓発拠点
大阪府都市整備部は、下水処理場(水みらいセンター)や公園を拠点とした新エネルギーの創出・啓発事業を2012年度に開始したい考えだ。府が下水処理場などの空き地や施設をインフラ空間として事業者に貸し付け、事業者が新エネルギー設備を整備し発電。売電価格と発電コストの差額収入により自立的に運営する。12年度に第1弾として、南部水みらいセンターでの事業者を公募する予定。13年度以降順次、他の下水処理場に拡大していく予定。
下水処理場のエネルギー拠点化のイメージは、@施設上部や用地を活用した太陽光発電A下水処理過程や放流水の落差を利用した水力発電B汚泥処理工程から得られるメタンガスを利用した消化ガス発電C脱水工程を経た汚泥を炭化(燃料化)し、電力会社などに販売D焼却施設からの廃熱を回収。蓄熱タンクに貯め、病院などに供給する廃熱利用−の組み合わせ。府は、ここで生み出された電力を非常用電源として活用し、多様な効果の発揮を目指す。
第1弾となる南部水みらいセンター(泉南市りんくう南浜1)は、処理水量13万2,400M3/日で敷地面積約3ha。空き地や処理施設上部を活用した太陽光発電を中心に年間200万kw程度を発電する計画。2012年度に事業者を公募。当初予算編成には、発電された電気を災害時電力として受電するための設備の設計・整備費として4,000万円を要求している。
府立公園は、環境エネルギーの学習拠点とする考え。太陽光などの自然エネルギーを活用した発電システムを整備。発電電力を表示するパネル設置などで、「太陽発電の見える化」を実施。駐車場では太陽光発電をシステムを搭載したEV充電システムも設置する計画。
2012年度予算編成には、ソーラーパネルの設置工事費(パネルは企業からの寄贈を想定)などとして、1,000万円を要求している。