建通新聞社(東京)
2012/02/01
【東京】 東京文化会館と写真美術館の改修へ設計
東京都生活文化局は、2012年度の都立文化施設の改修・改築予定を明らかにした。東京文化会館(台東区)と写真美術館(目黒区)の大規模改修に向けて設計を開始するほか、庭園美術館(港区)で新館改築に伴う本体工事と庭園部分の設計に着手する。12年度予算案では、10年度からの継続となる東京芸術劇場(豊島区)の改修工事費を含めて84億8900万円を計上し、限度額12億9300万円の新規債務負担行為も設定している。
12年度に大規模改修の設計に入る施設のうち、東京文化会館(台東区上野公園5ノ45)は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ2万1234平方bの「本館」(1959年完成)と、同造地下2階地上1階建て延べ1334平方bの「新リハーサル棟」(84年完成)の空調や給水設備、ホールなどの建築躯体が対象。
老朽化の進行に伴って99年度に改修工事を行ったが、施工後10年以上を経過したことから再び改修を施す。
2012年度に行う設計の中で施工計画を詰めた上で、14年度から施設を休館して工事を実施する予定だ。
一方、写真美術館(目黒区三田1ノ13ノ3)は、鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ7500平方bの施設全体をリニューアルするとともに、エレベーターを増設して利便性の向上を図る。10年度に改修整備計画を久米設計(江東区)でまとめた。
12年度は、改修整備計画を精査した上で13年度までの2カ年で基本設計を進める。この成果を基に同年度以降に実施設計を委託する。工事着手は14年度以降の見込み。
庭園美術館(港区白金台5ノ21ノ9)の新館の改築規模は鉄骨造2階建て延べ2128平方b。現在は、1963年完成の旧施設を三和解体工業(墨田区)が8月末までの工期で解体中だ。解体後に建築工事に入り、13年度末の完成を目指す。
また、これと並行して12年度に実施する庭園部分の設計は、朝香宮邸として使われていた当時のまま残されている庭園を再整備するための作業となる。同年度末までを期間にレイアウトなどを検討し、13年度以降の工事に備える。