建通新聞社(東京)
2012/01/31
【東京】 勝島町住宅や八ツ場ダムなどで新規債務負担
国の2012年度予算案に各省庁が施設整備のための新規の債務負担行為を盛り込んだ。主な事業には財務省の勝島町住宅、国土交通省の八ツ場ダムや沖ノ鳥島特定離島港湾施設、法務省の松江刑務所や黒羽刑務所などがある。
財務省の勝島町住宅は、品川区勝島1ノ6にPFI手法で整備する682戸の宿舎。事業仕分け(09年度)と宿舎削減の在り方検討(11年度)を受け、事業者を決める入札をこれまでに2度中止していた。
昨年12月にまとまった国家公務員宿舎の削減計画で「羽田空港の24時間化に対応するために必要な宿舎は建替を行う」(=勝島町住宅)とされたことから、12年度に3度目となる入札を実施して、事業者との契約締結にこぎ着ける。限度額83億0841万円の債務負担(14年度以降8カ年度以内)を設定し、入札手続きの前提を整える。
国交省の八ツ場ダムでは、昨年12月に事業の継続が決まったことを受けて、生活再建事業や本体工事の準備に必要な関連工事の経費を12年度予算に計上する。債務負担(12年度以降3カ年度以内)の限度額は23億9000円となっている。
また沖ノ鳥島の特定離島港湾施設整備は、船舶による係留・停泊・荷さばき・北小島への円滑なアクセスなどを可能にするため、島の西側に▽水深8b、延長160bの岸壁▽水深8bの泊地▽臨港道路―を整備する。債務負担(12年度以降5カ年度以内)の限度額は189億3000万円。
法務省の債務負担は、松江刑務所など9件が限度額33億9442万円(一般会計、12年度以降3カ年度以内)、黒羽刑務所など10件が限度額25億5472万円(東日本大震災復興特別会計、12〜13年度)。最高裁判所は広島高裁松江支部・松江地家簡裁合同庁舎など10件の整備で限度額54億8255万円(12年度以降3カ年度以内)の債務負担を設定する。
防衛省の債務負担は▽自衛隊施設の整備=714億9604万円(12年度以降3カ年度以内、防府北飛行場など117カ所)▽公務員宿舎改修=29億7265万円(12〜13年度、南目公務員宿舎など6カ所)▽在日米軍の提供施設整備=664億7299万円(12年度以降3カ年度以内、嘉手納飛行場など34カ所)▽同提供施設移設整備=195億1046万円(〃、キャンプ座間と相模総合補給廠など11カ所)―などとなっている。