建通新聞社(神奈川)
2012/01/25
【神奈川】「最低価格者以外の落札が全体の約7割」〜落札者の入札価格は低水準〜県土整備局 土木設計の総合評価
2011年4月〜12月に、神奈川県県土整備局が発注した総合評価方式による土木設計関係の案件は21件で、そのうち最低価格者以外が落札者となったのは全体の約7割に当たる15件だった。落札者の技術評価点は、全ての案件で参加者中最も高く、技術力が落札に結び付いた。一方、落札者の「予定価格に対する入札価格」(一般競争入札の場合の落札率)の割合は平均80・6%。最低制限価格をわずかに上回る幅の中で価格競争が行われ、技術評価点最上位の参加者が落札しているのが現状だ。県の発表を基に、建通新聞社が集計した。
2011年度は、12月までに県内6土木事務所の全てと、厚木土木事務所東部センター、同津久井治水センター、横浜川崎治水事務所、流域下水道事務所、県土整備局経理課が、計21件の土木設計関係の委託業務に総合評価方式を取り入れた。種類は河川、道路、砂防、橋梁関係など。業務の内容は、設計積算・現場技術業務を含め、河川、道路、砂防などの発注者支援に関連した業務が12件と最も多い。
最低価格者以外の落札(逆転)は、全体の71・4%に当たる15件。「価格が一番低く技術点も一番高い」という落札のケースも含め、全ての案件で技術評価点がトップだった参加者が落札した。
全21件の落札者の予定価格に対する平均入札価格は80・6%。このうち参加者が1社だけだった1案件(入札価格89%)を除くと80・2%となる。タイプ別に見ても、簡易型(80・1%)と特別簡易型(80・2%、参加者が1社だけだった1案件除く)の間に大きな差はなかった。
県土整備局では、11年度に新たに作成した、落札者の決定方法や評価項目などを定めた「総合評価方式の試行に関する運用ガイドライン」に基づいて試行。ガイドラインでは、総合評価方式のタイプとして、適用する業務の特性や難易度に応じて、参加者に業務実施方針などを求める「簡易型」と、それらを求めない「特別簡易型」の二つのタイプを設定している。