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建通新聞社(中部)
2012/01/24

【三重】県農水商工部 小水力発電導入に向けモデル策定に着手

 三重県農水商工部は、農業用水施設利活用による「小水力発電」の導入に向けたモデル策定に着手した。2011年度内に東員町内でモデル策定地を選定し、水流量を踏まえた発電能力や事業採算性をモデルケースとして策定する。調査担当は葵エンジニアリング三重営業所(四日市市)、調査工期は3月23日。
 小水力発電は、農村の再生可能な自然エネルギーを利用した発電システムで、売電による地域活性化、災害時の電力供給など分散型エネルギー供給の手段としてその重要性が再認識されており、同県でも導入に向けて調査を行う。
 小水力発電に適した設置場所の選定については、東員町山田の神田土地改良区内の農業用水路で2カ所、同改良区に隣接する員弁川第二用水の幹線水路で1カ所の計3カ所を絞り込む。基本事項の検討では、自流式発電を基準として発電使用水量と発電形式を検討し、さらに、取水量、放水位落差、水路ルート、最大および常時使用水量の検討を行い、発電規模や電力量、概算事業費などを算出する。また売電価格を踏まえて事業採算性を検討し、モデルケースを策定する。
 今回選定する候補地はモデルケースを策定するために、建設を想定して対象地区の条件を利用する。12年度には、候補地(今回選定された地区も含む)の選定作業を進め、候補地が確定すれば、その土地の条件を踏まえて詳細設計に着手する考えだ。
 県が策定を進める新エネルギービジョン(改訂中間案)にも、「中小規模水力発電」(1000`h以下)の導入に向けての検討が盛り込まれており、2020年度の目標値として4000`hを掲げている。