京都府と京都市は20日、京都市役所で府・市成長戦略本部会議を開催。地域活性化総合特別区域(特区)について意見交換した。
山田啓二知事、太田昇副知事ら府幹部が市役所を訪れ、門川大作市長、星川茂一副市長らと意見交換。門川市長は「特区の特例措置を十分活かして、府市協調で経済活性化のモデルを京都から発信していきたい」、山田知事は「京都市地域活性化総合特区協議会では、まず府と市の部長級の幹事会で内容を固めていただきたい」と述べた。総合特区の課題として、町家などを残すための優遇策が必要だが、門川市長は「相続税の基準が上るので、町家を残すような場合は優遇したい」と述べた。
京都コンテンツ産業総合特区についても説明があり、同特区の検討イメージは、太秦地区で国内外のクリエイターの活動拠点、コンテンツ創造・商取引の拠点となる「太秦メディアパーク」を整備するとともに、太秦地区を中心に国内外のコンテンツ関連産業を集積促進させる地域を整備。また、京都国際マンガミュージアムを核とし、京町家を活用したマンガクラスターの形成や、府内に撮影用の常設オープンセットを整備するほか、府内各地にロケ撮影適地を選定することなどを目標に掲げていることが報告された。山田知事は「太秦のある右京区には京北地域がある。京北地域に映画のオープンセットをつくれないか」と考えを示した。市側からは、「コンテンツ総合特区では太秦メディアパークにおいて都市計画法関係の規制緩和が必要になる。京都での映画づくりを進めるため、常設オープンセットを設ける場合に建築基準法の緩和が必要」と見解を示した。
23年12月22日に第一次総合特区の指定があり、今年1月18日に野田佳彦内閣総理大臣から総合特区指定書の授与式があった。今後2月から本格的な協議が始まる見通しで、今年度内に特例措置の対象事業等を記載した総合特別区域計画を策定し、新年度から特例措置等を活用した事業の推進を目指す。