建通新聞社(中部)
2012/01/20
【三重】三重病院隣接地を移転候補地 こども心身発達医療センター整備
三重県健康福祉部は、県立草の実リハビリテーションセンターと県立小児心療センターあすなろ学園を機能統合した「こども心身発達医療センター」(仮称)整備計画について、移転整備を前提とした場合、津市大里窪田町の国立病院機構三重病院の隣接地を候補地として検討していることを明らかにした。今後、2012年度からの設計着手に向けて候補地の選定作業を詰めていくことになる。
県議会の全員協議会で県側が説明したもので、津市内の4カ所の候補地から立地条件などを踏まえて、現在地での建て替えと三重病院付近の2カ所に絞り込み、さらに総合評価で数値化し比較検討した経過を報告した。移転対象地区は、津市大里窪田町字西穴川340の1ほかで、三重病院の東側の山林などで面積は7万5866平方b。敷地内には池(新池)がある。一方、津市城山の現在地の敷地は3万1933平方bで、仮設建築物が必要となるなどの制約がある。
新センター整備は、津市城山の県立草の実リハビリテーションセンターと県立小児心療センターあすなろ学園が建設から30年以上が経過し、施設の老朽化により、安全性、設備面などで課題の改善が求められ、新施設の計画が検討されていた。施設規模は、現在の両施設の延べ面積約1万5000平方bを参考にして、施設の集約や新たな機能に必要な面積などを踏まえて規模を設定する。診療科目は現行機能を基本に検討する。想定する定員は、126床未満(現行140床)を見込む。同事業は、三重県地域医療再生計画の一事業として新たに創設することが承認され、国の地域医療再生臨時交付金が交付される。申請額は、整備計画費に3000万円、土地造成整備、基本・実施設計などに10億円、建設工事、システム機器などに47億円の計57億3000万円とした。
候補地の比較検討に当たっては、交通利便性、関連機関との連携、経済性などを評価項目とし、13年度の工事着工という条件をクリアすることをポイントに検討した結果、三重病院隣接地を候補とする移転整備の優位性が明らかになった。ただし、建築面では移転先候補地に傾斜があり高低差も大きいため、造成量を可能な限り少なくし、2階建て以上の建物とするなどの制約もある。
今後の事業スケジュールは、12年度に各種調査、同年度から施設の基本・実施設計、造成の設計を2カ年で進め、13年度中に造成、建築工事に着手、造成も含め3〜4年の工期を見込み、17年度の供用を目指す。