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建通新聞社(静岡)
2012/01/20

【静岡】静岡県議会 新エネ活用したまちづくり・住宅建設促進など提言へ

 静岡県議会のエネルギー有効利用推進特別委員会は17日、住宅用太陽光発電の一層の導入や流域下水道を活用した中小水量発電、新エネルギー・省エネルギーを取り入れたまちづくりや住宅建設を県に求める提言をまとめた。今後、報告書を作成し、県議会2月定例会に報告する。
 東日本大震災とその後の原子力発電所の停止などを踏まえ、県の取り組むべきエネルギー施策について検討してきた同委員会では、▽エネルギーに関する県の方針▽新エネルギー導入の推進▽新エネルギーと省エネルギーを取り入れたまちづくりや住宅建設への取り組み▽県民や企業などの導入推進に向けた取り組み―の大きく四つの視点で提言をまとめた。
 県の方針については、エネルギー政策の具体的な検討を総合的に一括して行うための部署の設置や、エネルギーの安全保障や安定供給など地球温暖化とは別の視点での目標・目的の設定を求める。
 新エネ導入の推進として、住宅用太陽光発電の導入をさらに拡大するための補助制度の継続が不可欠とするとともに、壁面への太陽熱設備の設置も有効な取り組みと指摘。災害対策の観点から、県有施設に太陽光発電設備を設置する場合、蓄電池の併設を求めた。
 また、最終処分の方法が課題となっている下水汚泥についても言及し、汚泥の燃料化や消化ガスの補助燃料としての活用を促すとともに、流域下水道への小水力発電設備の設置を積極的に推進すべきとした。
 まちづくり・住宅建設では、まず、県の行うまちづくりで「地域全体のエネルギーの高効率化」という視点を取り入れ、ビジョンを作成することを要請。次に、エネルギー事業者などと連携して新エネ・省エネに配慮した住宅の建設を求めることや、自治会単位など地域全体でエネルギーを効率的に活用するモデル地区を指定し、太陽光発電や燃料電池、LED照明、ガラス窓の二重化などの取り組みを進めるよう提案した。さらに、県有施設や県営住宅などの新設に当たり、新エネ導入や省エネ実施を考慮した建物とするよう指針の制定も求めている。
 県民や企業などの導入促進に向け、さまざまな技術などの情報発信をするよう求めるとともに、新エネ・省エネを研究したり開発する企業の支援や、これら企業や発電所の県内への積極的な誘致への取り組みが必要としている。
(2012/1/20)

建通新聞社 静岡支社