建通新聞社
2012/01/19
【大阪】大阪府が災害廃棄物処理指針説明会 参加者は困惑の雰囲気
大阪府は18日、昨年末に策定した「大阪府域における東日本大震災の災害廃棄物処理に関する指針」に関し、市町村と一部事務組合への説明会を開催した。府側は、「被災地の早期復旧・復興のために前向きに検討してもらいたい」と要請したが、市町村側には戸惑いの雰囲気があり、前途の多難を予想させた。
説明会で府は、被災地の現状を伝えるとともに、指針の内容を説明。
災害廃棄物を受け入れる予定の岩手県では、県内111カ所の仮置き場(合計約234ha)を設置。搬入済み量は合計約400tで、災害廃棄物推計量約476tの約84%。解体を除いた災害廃棄物の撤去率は約99%に達している。3月末までに災害廃棄物の撤去を全て完了し、14年3月末までに処理を終える計画。
県内での処理には限界があるため、広域処理として約57万t(50万tが可燃物、7万tが不燃物)を希望。大阪府はこのうちの一部を受け入れることを表明している。
府内の市町村が岩手県から災害廃棄物処理を受託し、府は調整役となる考え。運搬は府がまとめて行い、府内の焼却施設に仕分けする。
受け入れと処理が安全に行われるよう放射線の専門家による検討会を設置し、処理指針を策定した。受け入れる廃棄物の濃度の目安を1s当たり100ベクレルとし、焼却処理はバグフィルターが設けられている施設などで行うとしている。対象とする放射性物質はセシウム134と137。
説明会での市町村側からの質問は、「府民への説明はどのように行うのか」など少数だった。参加者に聞くと、「担当者レベルでは判断できない問題」との声が多い。今後、市町村がどのような判断を下すか注目される。