建通新聞社(中部)
2012/01/18
【岐阜】岐阜大学と富士通が道路管理支援の実証実験
岐阜大学(森秀樹学長)と富士通(東京都港区、山本正已代表取締役社長)は、橋梁や道路の効率的管理と安心安全な道路ネットワークの維持・構築を支援する「道路ネットワーク維持管理支援サービス」(富士通が特許出願中)の実用化に向けた実証を岐阜県内で17日から開始した。3月末まで実証を行う予定で、効率的で適切な社会基盤の維持管理の仕組みづくりを図るほか、地域における新たなビジネスの創造や雇用創出の可能性を検討し、同サービスの事業化を目指す考えだ。
同サービスは、富士通の橋梁点検支援システムで収集する各種情報や自動車に搭載したデジタルタコグラフから抽出する位置、速度、揺れなどの情報、ドライブレーダーから抽出する画像情報などを収集し、損傷情報の分析、補修必要箇所の特定、予測などを行い、道路管理者の維持管理を支援するサービス。橋梁点検システムは、富士通が提供するクラウド・コンピューティング技術とハイビジョン映像を活用した時間や地理的制約のない橋梁点検の業務支援ソリューション「SuperCALS(スーパーキャルス)橋梁点検支援」で、今回の実証を基に道路ネットワークのより効率的な維持管理計画の策定支援を行い、その有効性、利便性、網羅性について検証することにしている。
厳しい財政事情の中で住民生活の利便性向上だけでなく、防災・減災の面からも道路や橋梁などの社会基盤の適切な維持管理が求められている都道府県や市町村などの各自治体では、こうした社会基盤をより効率よく適切に維持管理していく仕組みづくりが早急に求められている。今回、岐阜大学と富士通は、岐阜県の協力の下、岐阜大が橋梁や道路の損傷状況の分析など、専門家による多角的な研究能力と学術資源、人的資源を提供、富士通が装置から情報収集、登録、分析支援技術の提供などサービス環境の提供を行う形で、標準化されたサービス利用による公共事業のコスト削減やサービスの有効性などについて検証し、地域社会の雇用問題などの解決に貢献することを目指すことにしている。