北海道建設新聞社
2012/01/13
【北海道】NPO法人の旭川支部が道内企業のアジア進出を支援
道内企業の海外進出を念頭に、現地との橋渡し役となる外国人研修生を引き合わせるため、NPO法人アジア人材開発・雇用創出支援機構(HUDEC、本部・東京、樋口公人代表)の旭川支部が本格的なマッチング活動を始める。同支部は、土壌改良事業で知られるグリーンテックス(本社・旭川、佐藤一彦社長)が開設し、佐藤社長は「経済成長が進むアジア進出を応援したい」と意欲を見せている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国、台湾、韓国、インド、パキスタン、ロシア、モンゴルなどを対象地域に、受け入れを希望する企業と現地の研修生を引き合わせる。
滞在期間は6カ月から3年を見込み、企業が現地市場を開拓する際、帰国した研修生にパイプ役になってもらう。
公共事業の削減や景気低迷が続く中、道内の建設や製造、小売り企業などが海外進出をうかがうが、両国の文化や経済、商習慣の違いからトラブルが生じることも多く、協力してくれる現地企業や人材の存在が不可欠とされている。
HUDECは、解散した国の外郭団体、日本ILO協会で海外の人材育成を担当していた樋口氏が2011年3月に設立し、東京や大阪、名古屋でマッチング事業を展開している。旭川支部の設置はグリーンテックスが誘致し、同社の藤原宏宣常務が支部長を務めている。
グリーンテックスは土壌改良で中国進出を果たし、有機農業の普及に貢献した。佐藤社長は「日本は人口減少やデフレ不況に悩むが、中国をはじめインドネシアやタイ、トルコなどは経済成長が著しい。アジア諸国は日本の技術に高い関心を寄せるが、日本人が海外に出ようとしない」と有望な市場に目を向けるよう呼び掛ける。
同マッチング事業を支援する旭川産業創造プラザは、2月1日午後4時から旭川リサーチパークで企業を対象に「海外人材活用セミナー」を開く。HUDECの樋口代表が講師となり先進事例を紹介するとともに、事業を実施する場合の課題や必要な知識をアドバイスする。