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建通新聞社
2012/01/12

【大阪】大阪府 咲洲庁舎の長周期地震動抜本対策検討へ 12年度に調査 検討会議も設置

 大阪府は、咲洲庁舎(大阪市住之江区)における長周期地震動抜本対策調査を2012年度に実施する予定だ。事業費5,157万円を当初予算案に組み込み、抜本的対策の提案などを作成する。
 府は従来、大手前(大阪市中央区)の現庁舎から、咲洲庁舎に段階的に全面移転し防災拠点としても整備。移転した跡地を売却することで財政的負担を減らすことを予定していた。しかし、学識経験者との意見交換で、「咲洲庁舎は、地盤に対して高さが最悪の組み合わせ。地震時の揺れが大きく、防災拠点として使える建物ではない」などと厳しい指摘があり、橋下前知事は、咲洲への庁舎全面移転を断念。咲洲庁舎は早期に暫定的な長周期地震動対策を施して安全性を確保。抜本対策は、12年度に予定されている中央防災会議など国ほかから示される東南海・南海地震などに関する新たな知見を踏まえて検討することとした。
 12年度予算案に盛り込む調査費は5,045万円。@中央防災会議など国ほかの知見に関する情報収集・整理A東南海・南海地震等の長周期地震動の作成B長周期地震動を用いた咲洲庁舎の応答解析C抜本的対策の提案及び費用対効果の検証−などを内容とする。委託費の内訳は、長周期地震動抜本対策調査が3,045万円、 東南海・南海地震等の地震動作成が2,000万円。
 また、国などでも研究途上にある長周期地震動対策について、最新の耐震技術や工法も視野に入れ、複数の学識経験者から助言を受けるための検討会議を設置。この運営費用として113万円を計上する。
 咲洲庁舎は約2万uの敷地に、地下3階地上55階建て延べ14万9,300uの規模。建築面積は1万1,000u。