建通新聞社(岡山)
2012/01/13
【岡山】、県庁舎の耐震改修や浸水対策の工法検討
岡山県は、東日本大震災の発生を受け、地域防災計画の見直し作業を進めており、昨年末、岡山県地震・津波対策専門委員会((委員長:河田惠昭関西大学社会安全学部長)から、防災計画の在り方について報告書の提出を受けた。
報告内容のうち、地震に強い施設づくりでは、県庁舎や県有施設など災害時の拠点施設となる建築物の早期耐震化や液状化対策では重要構造物である橋梁と同様に道路の液状化の問題がないかどうか点検する必要がある。また、海岸保全施設の整備については、高潮防潮堤を越流する津波を受けた場合でも簡単に壊れないように補強する必要があるとした。
県では、今回の報告内容を踏まえ、2011年度内に地域防災計画を見直す方針。防災対策に関する事業を優先的に整備するため12年度予算にも反映させていく考え。庁内で具体的な施策をまとめるアクションプログラムについても予算や国の動向などを踏まえ、検討シートの見直しを進める。
県の海岸保全施設整備は、高潮対策などが必要な168カ所のうち、これまでに20カ所が対策済み、36カ所が整備中となっている。12年夏にも国の専門調査会がまとめる新たな三連動地震による被害想定を受け、今夏以降、第二弾の地域防災計画の見直しとともに、現行の岡山沿岸海岸保全計画(08年3月改訂)の防護水準など見直し作業に入っていく考え。整備期間は約30年を目標にしている。
これまでに、11年度から直ちに実施すべき施策として、県庁舎耐震化の推進、県立学校の耐震化、災害対策本部代替施設である県立図書館の整備を挙げ、事業費を11年9月補正予算で計上。県庁舎の耐震化については、11年度で大規模地震などの発生に備え、県庁舎の耐震改修や浸水対策の工法検討、改修計画策定に着手、15年度までに完了させる予定となっている。
県立学校の耐震化率は、11年4月現在65・7%で、全国平均の77・7%を下回っている。また、耐震性のない県立学校棟数は11年4月時点で、54校・248棟(未改修194棟、未診断54棟)。11年9月補正予算で耐震補強工事のための実施設計10棟分、11月補正予算で耐震補強工事費10棟分(岡山操山高校特別教室棟、勝間田高校実習棟、久世高校実習棟2棟、水島工業高校特別教室棟、岡山南高校普通教室棟、岡山工業高校実習棟、東岡山工業高校実習棟、倉敷古城池高校特別教室棟、同階段室)を追加計上するなど、15年度末の完了を目指して耐震化を加速させていく考え。