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再生に向け調査を実施予定の堀川団地(椹木町通付近) |
堀川団地の再生に向け、基本計画の策定作業が進められている。堀川団地まちづくり協議会での意見や京都大学における研究成果を踏まえ、24年度は、検討の中で必要とされた複数の機能が実現できるかを調査する実現可能性調査を実施する方針。団地再生を支援する京都府は24年度当初予算に関連経費を要求している。
堀川団地は、京都市上京区の堀川通り西沿いに昭和25〜28年に建てられた京都府住宅供給公社の賃貸式店舗併用共同住宅。RC造3階建ての計6棟で構成され、1階部分に店舗(計62戸、9762u)、2〜3階に住宅(計98戸、5188u)が配置され、周辺の店舗と商店街を形成している。
平成21年度に堀川団地まちづくり懇話会で、@まちづくりの核となる公的住宅としての再生A再生ビジョンを協議する仕組みとプログラムB入居者、商業者、地域住民、公社・京都府の協働−を基本的な方向として定めた。その後、同団地を観光、学生、伝統文化等の様々な京都の強みを活かした京都の新しい賑わい拠点として再生するため、京都府や京都府住宅供給公社をはじめ、住民、店舗オーナー、福祉関係者らで組織する堀川団地まちづくり協議会が22年8月に発足。同協議会では個別課題として、@地域の絆を深める住宅・施設と仕組みの検討A福祉サービスの検討B商業活性化の方法C建替え、改修方法等−を検討中。
同団地6棟のうち、最も南側の椹木町団地、最も北側の上長者町団地の2棟を建替え、下立売団地と出水団地1〜3棟の4棟を耐震化など改修する方向で検討している。椹木町団地は地域住民・民間事業者との協働による高齢者向け住宅と福祉施設の一体的整備、上長者町団地は賑わい・集客・交流の拠点として民間事業者を誘致したい考え。地域密着型のまちづくり推進主体「まちづくり会社」の創設やまちづくり会社によるエリアマネジメントも団地再生の枠組みに組み入れることが検討されている。
団地再生を支援する府は、24年度当初予算編成方針で高齢者や子育て世代など多様な世代が活発に交流し、京都の新しい賑わいの拠点となる堀川団地の再生推進を掲げ、予算要求で新堀川京極再生事業費として4364万9000円を要求した。建替事業において必要となる基本計画に基づく実現可能性調査の費用のほか、事業者公募(コンペ)及び審査委員会開催経費、コンペに関する要綱策定などの費用に充てる考え。
府住宅供給公社は、堀川団地再生の整備手法について22年1月から国立大学法人京都大学(京都市左京区)と共同研究しており、「堀川団地再生ビジョン(仮称)」の検討及び策定に係る研究も今年6月に京大に委託、策定作業を進めている。事業者公募コンペは府住宅供給公社が実施する。
堀川団地の概要は次の通り。
▽上長者町団地=@1400uA713uB12戸/(府職員住宅として利用)C昭和28年度
▽出水団地3棟=@1521uA853uB9戸/18戸C昭和25年度
▽出水団地2棟=@1522uA827uB10戸/18戸C昭和25年度
▽出水団地1棟=@1522uA860uB9戸/18戸C昭和25年度
▽下立売棟=@2100uA1056uB12戸/24戸C昭和27年度
▽椹木町団地=@1697uA879uB10戸/20戸C昭和28年度
◆合計=@9762uA5188uB62店舗/98戸 |