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建通新聞社(中部)
2011/12/21

【愛知】県教育委員会 県立学校耐震化 4校5棟の設計進む

 愛知県は、財政難などの問題から遅れ気味だった県立学校耐震化工事を、これまでの倍近いペースで整備していく方針を打ち出している。追加で耐震改修の先行設計を進めている県立高校9校10棟のうち教育委員会財務施設課から設計委託した4校5棟の委託内容をまとめた。
 名南工業高等学校校舎等改修設計は、鉄筋コンクリート造3階建て延べ1103平方bの校舎棟(定時制管理棟)と鉄骨造平屋394平方bの武道館、鉄骨造平屋58平方bの渡り廊下を対象に、外壁調査や耐震計算、構造評定を含む改修設計を実施する。所在地は名古屋市南区阿原町1。設計は連空間設計(名古屋市熱田区)が担当して進めている。
 尾西高等学校校舎等改修設計は、鉄筋コンクリート造4階建て延べ3881平方bの管理棟と鉄筋コンクリート造2階建て延べ133平方bの渡り廊下を対象に、外壁調査、耐震設計、構造評定を含む改修設計を実施する。所在地は一宮市上祖父江字小稲葉18。設計は垣見設計事務所(一宮市)が担当して進めている。
 足助高等学校校舎等改修設計は、鉄筋コンクリート造4階建て延べ3089平方bの本館棟と鉄筋コンクリート造2階建て延べ92平方bの渡り廊下を対象に、外壁調査、耐震設計、構造評定を含む改修設計を実施する。所在地は豊田市岩神町川原5。設計は今建築設計事務所(豊田市)が担当して進めている。
 小坂井高等学校校舎等改修設計は、鉄筋コンクリート造4階建て延べ3645平方bの管理棟と鉄筋コンクリート造2階建て延べ103平方bの渡り廊下を対象に、外壁調査、耐震設計、構造評定を含む改修設計を実施する。所在地は豊川市小坂井町欠田100ノ1。設計は不二設計(豊橋市)が担当して進めている。設計工期は、いずれも2012年4月27日までの予定。
 県では、このほかに県住宅供給公社に業務委託して豊明高等学校(豊明市沓掛町海老池10)の本館棟、岡崎工業高等学校(岡崎市羽根町字陣場47)の管理機械繊維棟、豊田西高等学校(豊田市小坂町14ノ65)の管理棟、松平高等学校(豊田市鵜ケ瀬町桐山1)の管理特別教室棟、猿投農林高等学校(豊田市井上町12ノ179)の本館棟の5校5棟を追加で先行設計を進めている。12年度以降については、これまでの遅れを取り戻すため年間約90棟のペースで耐震化を進めていくものとみられる。
 06年度に策定した「愛知県建築物耐震改修促進計画−あいち建築耐震プラン2015−」では、1981年以前に建築された県の所有する建築物(旧耐震基準建築物)で、一般県有施設(非木造の床面積200平方b以上の多数の者が利用する建物)と病院事業庁施設(すべての病院施設)、県営住宅(すべての県営住宅)、県立学校(高校と特別支援学校の200平方b以上の建物・校舎、体育館、武道場など)、企業庁施設(水道施設管理本館)を対象とした耐震化の現状は全体で約72%となっている。
 このうち企業庁庁舎の100%や県営住宅の99%をはじめとして、庁舎や特別支援学校、病院・保健所は75%を超えるている一方、高校では46%、県民利用施設は61%などとなっており他施設の比べ耐震化が遅れている現状がある。