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建通新聞社(神奈川)
2011/12/08

【神奈川】川崎市 市営住宅建て替え手法 住棟ごとの建替え・修繕に転換 

 川崎市は、大規模な市営住宅の改築について、これまでの全面建て替えから、住棟ごとに建て替えや長寿命化の修繕などを選択する複合手法に転換する。既存の住宅を70年間使用することを目指して段階的に整備し、コスト削減や住居者の負担軽減を狙う。このほど策定した「第3次川崎市公営住宅ストック総合活用計画」では、宮内住宅など5団地を対象に、建て替えが必要な住棟について2015年度までに工事着手する目標を示した。
 06年度に策定した第2次ストック活用計画では、老朽化した市営住宅団地で、全面改築を前提に建て替えが必要な団地を選定してきた。これまでは1955年以前に建設された住宅について、おおむね築50年を超えないうちに建て替えてきたが、今後建て替えの対象が昭和40年代の団地に移行すると、対象団地が増え、財政的にすべてを建て替えることは困難になる。
 こうした現状を踏まえ、2011〜20年度の10カ年を計画年度とする「第3次川崎市公営住宅ストック総合活用計画」では、団地全体を一度に建て替える手法から、住棟ごとに建て替えと長寿命化の修繕、定期的な維持保全を効果的に組み合わせる手法に転換する方針を示した。
 一部建て替えの対象は▽宮内住宅▽久末住宅▽南平耐火住宅▽初山住宅▽有馬第2住宅▽高石住宅―の5団地。12年度から新規入居者の募集を停止し、住民との話し合いの上、順次建て替えに着手する。
 複合手法での建て替えを導入すると、建物の維持管理コスト削減のほか、一つの団地内で居住者の様々なニーズに対応しやすくなるという利点がある。