建通新聞社四国
2011/12/06
【香川】高松港にガントリークレーン設置 県港湾課
香川県港湾課は、2012年度から高松港朝日地区のマイナス10b岸壁にガントリークレーンを設置するため、事業化に向けた事業費を要望している。設置場所は現コンテナターミナルの北側。整備後はコンテナの積み下ろしバースが1から2バースに拡張され、効率化が図られる。クレーンの設計を港湾荷役機械システム協会(東京都港区)、岸壁補強の設計をエイト日本技術開発高松支店に委託した。期間は12年3月15日まで。
現在、コンテナや原木などの積み降ろしに使用しているF地区(マイナス10b)岸壁の延長370bは、南側の1バース延長185bをコンテナ積み降ろし、北側の1バースは原木・木製品の積み降ろしに活用している。埋め立て中の多目的国際ターミナルが11年度末に暫定供用することから、現コンテナターミナル北側の原木・木製品・穀物置場として利用している機能が埋立地に移転し、空地となる時期にクレーンの設置を計画。これによりコンテナ積み降ろし岸壁は1バースから2バースに拡張され、コンテナ取扱量が増加する他、不足しているコンテナターミナル(保管場所)も約2.2fから約2.5f増え、約4.7fとなり2倍強に拡張される。
岸壁南側の現コンテナターミナルに1997年設置されたジブクレーンは耐用年数も過ぎたうえ、コンテナ取扱能力が15個/時と低いため、06年度にガントリークレーンへの更新を目指したが、施工者選定が難航し、ハーバークレーン(能力20〜25個/時)に変更・設置した経緯がある。しかしコンテナ取扱量の増加や効率化の観点から今回、岸壁北側への設置機種をガントリークレーンとして検討に入った。同クレーンは30〜40個/時の取扱能力がある他、ジブクレーンやハーバークレーンの円運動と違いガントリークレーンは直線動作でコンテナ搬送が安定するなどの利点もある。
クレーンや岸壁の設計委託内容は、クレーンがフルコンテナ船へのクレーン諸元、クレーン重量、車輪荷重など。岸壁補強が既存岸壁の補強対策工、クレーン基礎工、液状化対策工など。
06・07年度に設置を計画した当時のガントリークレーンの概要は、定格荷重(コンテナ荷役時)30.5d、吊上荷重45d、アウトリーチ31b、スパン16b、揚程(海側レール面上)25b、揚程(海側レール面下)11b。予定価格は約6億3000万円だった。