建通新聞社(神奈川)
2011/12/05
【神奈川】帷子川分水路トンネル長寿命化計画 年度内策定へ
神奈川県横浜川崎治水事務所は、帷子川分水路トンネルの長寿命化計画を2011年度内に策定する。先にトンネル点検調査と長寿命化計画策定業務の歩掛りの見積もり公募を実施。近く見積もり提出者を対象に競争入札を執行する。この中で、コンクリートの劣化や塩害を目視によって確認し、現時点での評価と予測を行う。
着工から約30年が経つことから、適切な健全度を把握するための調査を実施し、トンネル施設全体の維持管理の長寿命化計画を作る。
全体のトンネル区間延長5320bのうち、下流部区間については10年度に調査を実施済み。調査の結果、「危険箇所や急な補修が必要な箇所はなかった」(同事務所)としている。
11年度は上流部区間の内空変位・断面調査、コンクリートの内部欠陥調査・強度調査・中性化調査、塩化物含有量試験などを行い、下流部区間の調査結果と合わせて長寿命化計画を策定する。
同事務所では、「当面、すぐの補修は考えていない」としながらも、「5年置きに点検し、計画の見直しを含め、必要に応じて対応していきたい」と話している。
帷子川分水路は、中流部の横浜市旭区白根1丁目付近に分水施設を設け、毎秒350立方bの流量を分水する。国道16号下白根橋下流からトンネルで横浜駅西口付近の派新田間川に接続し、横浜港に放流。トンネル工事は1984年度に着工し、97年3月に完成した。
下流部区間の調査は横浜コンサルティングセンター(横浜市神奈川区)が担当した。
取水庭ゲートと下流ゲートを対象にした管理施設の長寿命化計画については2010年度に策定済み。