建通新聞社四国
2011/12/02
【愛媛】公共事業など一般財源10%削減 県当初予算方針
愛媛県は、2012年度当初予算の編成方針を固めた。依然、厳しい財政状況が続くと予想される中、公共事業費や県単独事業費の一般財源削減率をマイナス10%とするなど厳しい要求基準を各部局に求め、財政健全化に向けて「今まで以上にメリハリを徹底した予算編成に取り組む」方針を示している。
削減はこのほかに維持管理費5%減、直轄事業負担金10%減など。加えて国の12年度予算編成の動向や景気の変動により一般財源の見通しに変動が生じた場合は、減額を含め再配分する可能性もあるとしている。
公共事業費枠と県単独事業費(投資的経費)の枠配分額は、一般財源ベースで11年度9月現計予算額の85〜92%、維持管理費枠は同じく95〜100%、直轄事業負担金は85〜92%の範囲内で調整。県の実情に即して▽緊急度、投資効果、後年度負担などを十分に検討、精査▽地元市町の財政負担を伴う事業について事業内容、負担額など関係部局との十分な連絡調整▽国の見直しの動きに留意した事業計画の把握−などに努めて要求することを課した。災害復旧事業費に関しては、▽過年発生補助災害は査定額を基礎に年次別に復旧進度率により積算した額▽過年発生単独災害は既往年度における復旧状況を勘案した額▽現年発生災害は過去の復旧実績など勘案した必要見込み額−での要求を課している。
また県は、12年度を現在策定中の新しい長期計画「愛媛の未来づくりプラン」の本格的なスタートにあたる重要な年と位置付け、計画を着実に推進するため、特に力点を置いて取り組む施策分野などを示す「重点戦略方針」も発表。@足腰の強い産業構造の確立と基盤整備など「産業分野」A防災力のさらなる強化やや原発安全対策の徹底など「暮らし分野」B国体への着実な準備など「人づくり分野」C再生可能エネルギーの検討など「環境分野」−の4分野から重点的に取り組む17の施策を選定しており、選択と集中を図りながら戦略方針に積極的に取り組むとともに、計画を強力に推進していく方針だ。
新年度予算案は、12年1月下旬から2月上旬の知事査定を経て、2月中旬にまとまる。