建通新聞社(神奈川)
2011/11/30
【神奈川】新たな総合計画 仮称・かながわグランドデザイン「基本構想編」「実施計画編」素案示す 災害対策など新たな視点追加
神奈川県は24日、第104回神奈川県総合計画審議会(会長・小林重敬東京都市大学教授)を開き、新たな総合計画の素案を示した。計画の名称をかながわグランドデザイン「基本構想編」(仮称)と、同「実施計画編」(仮称)に変更。基本構想編には、災害対策の見通しなど新たな視点での政策を盛り込んだほか、実施計画には「神奈川からのエネルギー政策の転換」といった六つをプロジェクトの柱に、計26の具体的な構成事業を表した。実施計画の期間は「骨子」の段階で2年間(2012〜13年度)としていたが、これまでの議論を踏まえ3年間(12〜14年度)に改めた。12月中に議会に報告するとともに、12年1月にかけてパブリックコメントを実施する。
県政運営の総合的・基本的指針を示す総合計画として、07年におおむね20年後の県の姿を示した「神奈川力構想・基本構想」と、4年間で取り組むプロジェクトを示した「神奈川力構想・実施計画」を策定。実施計画については10年度で終了した。
基本構想は、「かながわグランドデザイン基本構想編」に改称。「電力不足への対応」「災害対策の見直し」「放射能対策の強化」の三つの視点を加えて、25年度の将来像の実現に向けた方向性を整理した。
実施計画は、「かながわグランドデザイン実施計画編」として、プロジェクト中心にまとめた。内容は、第1章(プロジェクト)第2章(主要施策、地域別の体系)の2章構成。第1章には「神奈川からのエネルギー政策の転換」「災害に強く安全で安心して暮らせるまちづくり」など六つの柱とそれらを構成する26のプロジェクトを位置付けた。それぞれ期間内に取り組む具体的な施策と事業の内容を示している。
例えば、プロジェクトの一つである「津波被害を軽減する対策の強化」は、▽津波に関する調査と対策の実施▽津波避難施設等の整備・確保▽津波避難情報の提供・伝達の充実―の三つの施策で構成。新たな津波浸水想定などに基づく地震被害想定調査の実施と対策の推進や、沿岸市町と連携して津波避難ビルや津波非難タワーなどの避難施設を整備することなどを掲げた。
今後、パブリックコメントや部会での検討結果を踏まえて、12年2〜3月に両計画編の案を作り、12年第1回県議会定例会に提案(実施計画編は議会報告)。第105回総合計画審議会の答申を受けて、11年度内に新たな総合計画を策定する。