建通新聞社四国
2011/11/18
【徳島】対策案を妥当と判断 柴川生活貯水池検討委
第2回柴川生活貯水池検討委員会(委員長・湯城豊勝阿南工業高等専門学校副校長)が15日、県庁で開催され、事務局である県側が「治水・利水」などの目的別の評価および総合的な評価を示し、その結果、現計画に代わる対策案が妥当であると判断した。県では、委員会での意見を柴川生活貯水池建設事業の検証に係る対応方針(素案)に反映させ、地元説明会やパブリックコメントの実施に向けた作業を進める。
目的別の評価では、治水対策3案(@ダム案(現計画)、A放水路案、B河道の掘削案)について「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき、7項目の評価軸に沿って評価を実施。実現性、持続性および柔軟性に大きな課題はなく、地域社会や環境への影響も小さいことから「河道の掘削案」が妥当と判断。新規利水対策5案(@ダム案(現計画)、Aダム再開発案、B水系間導水案、C―1が既得水利の合理化・転用案、C―2が既得水利の合理化・転用案+川口簡易水道拡張)については、「再評価実施要領細目」に基づき、6項目の評価軸に沿って評価を行い、「既得水利の合理化・転用案+川口簡易水道拡張」が妥当とした。流水の正常な機能の維持対策2案(@―1がダム案(現計画)、@―2が同(不特定専用ダム))については、「再評価実施要領細目」に基づき、6項目の評価軸に沿って評価を実施。両案ともダム案であるためダムを建設することで流水の正常な機能の維持に必要な容量が確保される一方、ダムがない場合でも河川の流れは現況と変わらず問題がないことから、現在の柴川谷川の自然流況とすることが妥当と判断した。
総合的な評価では、治水、新規利水、流水の正常な機能の維持対策案の全てにおいて、現計画に代わる対策案が妥当であると判断。目的別対策案の組み合わせによる比較からも問題がないことから、目的別の評価で示した、それぞれの対策案が妥当であるとした。
県では今後、柴川生活貯水池建設事業の検証に係る対応方針(素案)に対するパブリックコメント、住民説明会を実施し、結果を反映させ対応方針の原案として次回、年明け頃に開催予定の検討委員会に諮ることにしている。
同委員会は、2010年9月28日に国土交通大臣からダム事業の検証に係る検討の要請を受けた三好市山城町の柴川生活貯水池について、「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づいた対応方針(案)を作成するため設置し、協議を進めている。