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建通新聞社(神奈川)
2011/11/17

【神奈川】かながわソーラープロジェクト研究会 第2次報告書案について議論 「ソーラーバンクシステム」の年内実施を提言

 神奈川県は、かながわスマートエネルギー構想の推進に向けた検討を進めている「かながわソーラープロジェクト研究会」(会長・村沢義久東京大学総長室アドバイザー)の第8回会合を16日に開き、太陽光発電設備の一戸建て住宅への普及策などを掲げたソーラーバンク構想や、メガソーラーの誘致・設置促進策などを盛り込んだ第2次報告書案について議論した。同日、報告書をまとめ村沢会長が黒岩祐治知事に手渡した。※関連記事=「かながわソーラーバンクシステム」
 ソーラーバンク構想はソーラーパネルの一括発注と規格化、設置の相談・支援などを通じて価格の低下を促がす取り組み。研究会では、過去の議論の中で、県がモデル事業を先行実施して価格低減効果を検証するよう求めていた。こうした検討を踏まえ、今回年内をめどに、速やかにソーラーバンク構想の具体的な仕組みである「ソーラーバンクシステム」を構築し、実施するよう提言した。事業者の選定の際は、価格低減のみを重視して一つのプランだけを選ぶのではなく、さまざまなニーズに応じて県民が選択できるよう配慮すべきだとした。
 共同住宅などへの設置促進策については、9月補正予算で措置した新たな補助金制度によって普及させるとともに、県内の設置ニーズや課題を把握して、さらに検討を深めるべきだとした。共同住宅への設置促進に当たって、これまでの研究会の議論では、管理組合の合意形成に時間がかかる分譲住宅よりも、オーナー1人に意思決定が委ねられる賃貸住宅を当面のターゲットにすべきとの意見が出されている。
 メガソーラーの設置促進については、「民間事業者が主体となった事業誘致」の取り組みを提言した。その際、県が適地の情報を取りまとめて提供するよう求めた。
 公共施設への設置促進については、「民間事業者などが県民や企業などから広く出資を募った上で、県有施設の貸与を受けて太陽光発電を設置する手法」を提案。さまざまな課題に対しては、学校など、同種類のものが多数ある施設ごとに整理することが効率的だとした。
 学校や工場などの屋根に、市民出資によって太陽光発電設備を設置する「屋根貸し」方式は、「具体的なスキーム(案)を年度内に提示し、早期に事業化すること」とした。