建通新聞社(東京)
2011/11/11
【東京】東京都各局 2012年度予算要求ダイジェスト第1回 都市整備局 マンション耐震化で助成枠を2倍に
東京都各局の2012年度予算要求の内容を全4回で見る。1回目で取り上げるのは都市整備局、港湾局、建設局。都市整備局はマンションの耐震診断・改修助成の助成枠を倍増させるとともに、新たに管理組合などへの職員派遣を行うための経費も求めている。港湾局の要求総額は11年度予算の2倍超に上っており、佳境を迎える中央防波堤外側ふ頭の整備費などを確保する考え。建設局は石神井川流域から白子川地下調節池に取水する施設や、西武新宿線中井〜野方駅間で計画する連続立体交差事業の設計費などを要求している。
「都市整備局―都営住宅3600戸建て替え 耐震改修事業費に伸び」
都市整備局の要求総額は4099億4900万円で、11年度に比べ16%の減。会計別内訳は▽一般会計1593億4200万円(23・5%減)▽都営住宅等事業会計(6・6%増)▽臨海都市基盤整備事業会計131億5600万円(4・1%減)▽都市再開発事業会計674億1600万円(29%減)―などとなっている。
このうち一般会計では、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進に129億7500万円を求めている。耐震診断や耐震改修設計・工事の助成枠を大幅に拡大するほか、耐震診断義務化に伴う事業者向け技術者講習会なども実施する。
また都内の建築物の耐震化を促進させるため、木造住宅の耐震化助成に5億3100万円、マンションの耐震改修促進事業に4億3400万円を要求した。マンションについては、耐震診断の助成枠を2万1000戸(11年度1万4000戸)、改修を2500戸(1000戸)に広げるとともに、都区市町村の職員を「マンション耐震化啓発隊」として管理組合に派遣。建て替えなどの合意形成を助ける取り組みも始める構え。
都営住宅等事業会計では、公営住宅建設事業費を471億4700万円と見積もった。都営住宅の建て替えに427億2300万円(2・2%増)を振り分け、建替戸数を3600戸に増やす。また、都営住宅の耐震改修事業費を120億1600万円(172・5%増)と11年度予算の3倍近くまで伸ばし、事業推進を図る。
新規事業として「木造住宅密集地域の整備を促進するための調査」(1億5000万円)や、「豪雨対策の検討調査」(1500万円)、「建築物における液状化対策の推進」(5000万円)なども挙げている。