建通新聞社(中部)
2011/11/10
【愛知】3連動地震の被害予測調査をプロポで応用地質・三菱総合研究所JV
愛知県防災局は、「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査」を委託するため公募型プロポーザルを実施した。提案者は応用地質・三菱総合研究所JVの1者だったが、審査の結果、提案内容が十分に契約交渉の相手となりうるものだったとして、同JVの提案を選定した。今後、随意契約を結び、2012年3月26日までの予定で被害予測調査業務を実施する予定。見積金額は5670万円(税込み)。
実際の調査体制としては、委員会の指導助言と防災局アドバイザー(福和信夫名古屋大学大学院教授)の助言の基にコンサルタントが調査する。コンサルタントは「防災戦略」「ハザード評価」「リスク評価」「災害対応」「災害情報」「教育・啓発」などのワーキンググループを設け作業を進めていく。
調査の前提となる条件は、国の中央防災会議で見直すこととなる東海地震・東南海地震・南海地震などの海溝型大規模地震および内陸型地震など愛知県に大きな被害を及ぼす可能性が高い地震とそれらの連動発生など、複数のケースを想定するとしている。
調査内容は、▽災害対応力の確認▽東日本大震災の対応状況の確認▽過去の津波浸水範囲に関する歴史学的・地質学的資料収集▽地盤データの収集▽地盤モデルの高度化のための地盤調査▽地盤モデルの作成▽津波計算のための地形、堤防などのデータの作成および津波による被害予測のデータ整理▽被害予測のためのデータ収集・整理▽震源モデルの検討▽予測手法の検討地震動の計算▽液状化予測▽崖崩れの予測▽津波の計算▽被害予測(建物(住宅、ビルおよび官庁施設)、人的被害、ライフライン施設、交通施設など)▽シナリオの作成▽防災対策の課題の検討▽減災効果の検討▽地震防災対策のまとめ▽中央防災会議被害予測との整合性の確認―としている。
被害予測調査結果の活用としては。調査結果から得られた課題、対策などを「愛知県地域防災計画」と県全体の地震対策の指針となる「あいち地震対策アクションプラン」に反映させ、地震対策の充実強化を図る。また、調査結果を市町村や防災関係機関へ提供するとともに、研究者、土木・建築関係者などにも公開し、地震防災対策に関する研究、設計に役立てる。