建通新聞社(神奈川)
2011/11/09
【神奈川】土砂適正処理条例改正 事業者への規制強化
神奈川県は、土砂の不法投棄と埋め立て行為に伴う災害発生の防止目的とした「神奈川県土砂の適正処理に関する条例」を改正する。条例改正骨子案を9月の県議会第3回定例会に報告。11月10日まで県民意見を募集している。新たに、@土砂埋立行為の目的の明確化A定期的な報告の充実B廃止(完了)届け出の充実―などによって事業者に対する規制を強めるほか、土地所有者にも一定の義務を課し、土砂埋め立て行為区域の安全性を確保する。議会の承認を経て2012年7月に改正条例を施行する。
1999年に条例を制定し、土砂の埋め立て行為を指導してきたが、近年、許可内容に違反し、土砂が崩壊、流出する事例が多発。ことし1月には、土砂の流出を防止するため、県が行政代執行を実施した。違反行為の再発を防ぐため、事業者に対する指導の徹底、組織体制の強化に加え、土砂の適正な処理の推進に向けて条例を改正することにした。
改正骨子案では、まず事業者に対する規制を強化。土砂埋め立て行為の許可申請項目に「土砂埋め立て行為の目的」を追加する。また、定期報告の期間を現行の6カ月ごとから3カ月ごとに短縮。廃止(完了)届け出時には、必要な図書の添付を義務付ける。
許可申請者の資力や信用などもより厳しく審査。申請者または元請け人が、過去に受けた命令が未履行の場合は許可しないこととする。
土地所有者に対しては、施工状況の把握や施工者の違反行為に対する関係機関への通報の義務を課す。土砂埋め立て行為者が、命令された必要な行為を履行せず、土地所有者が義務を果たさなかった場合は、土地所有者に必要な措置を求めることができるようにする。
このほか、周辺住民への事前説明の義務化、県と市町村との連携・協力についても規定する。
12月の県議会第3回定例会に条例改正素案を報告し、2012年2月の県議会第1回定例会に条例改正議案を提案。7月に改正条例を施行する。